はこだて未来大学のサークル

2001-01-16 vol.220

はこだて未来大学のサークルは普通の学校とは一味違った

21世紀がやってきました。テクノロジーのめさましい進化によりコンピュータや通信技術が発達し、世界規模の、そして24時間休むことのない社会システムがいま、創り出されようとしています。それはすなわち、世の中のしくみがますます複雑になり、そうした社会をリードしてゆく人間は、必然的に、複雑化するしくみに対応できる新しい発想と技術力が求められるということになります。そんな時代の中で「社会の複雑な現象を総合的な視野で分析」でき、さらに「人間中心の視点から価値ある情報を創り出し、発信」できる人材を育てているところが函館市内にあります。そう、それが『公立はこだて未来大学』です。

はこだて未来大学のサークルは普通の学校とは一味違った

2001未来へ…はこだて未来大学はいま…

未来大学の校章

今回、本紙では昨年4月に開学した公立はこだて未来大学の扉を叩き、そこに学ぶ人材の創造性や技術にスポットをあてるとともに、いま、この大学ではどんな事が進められ、そこに学ぶ未来の担い手達はどんな事に取り組んでいるのかについて探り、函館の将来を占う未来予想図を思い描いてみました。

この大学では、IT(情報技術)の基礎・基幹を学び、その上で複雑系科学や情報アーキテクチャの様々な分野を自分の希望に応じて履修することができ、情報科学の大学として特色を持った人材を輩出することを目的としています。複雑系科学とは世の中の複雑な現象をコンピュータを使って解析したり、シミュレーションする学問。また、情報アーキテクチャとは、さまざまな形や質の情報を組み立てて、次世代の情報環境を設計・構築することです。複雑系学科の学生がさまざまな問題について解析した結果を、情報アーキテクチャの学生が“カタチ”として完成させるというようなプロジェクトも予定されており、2つの学科のコミュニケーションから新しい未来の“カタチ”が生まれようとしているのです。
《公立はこだて未来大学・大学案内参照》

●平成13年度公立はこだて未来大学一般選抜入試
出願期間/平成13年1月29日~平成13年2月6日
前期入試/平成13年2月25日
後期入試/平成13年3月12日

取材協力・資料提供/公立はこだて未来大学

公立はこだて未来大学注目のサークルを探る

未来をイメージできるような発想と出会いたい…。そんな思いもあって今回は、『公立はこだて未来大学』の中で注目されている2つのサークルを紹介します。2つのサークルはいずれも、学生達の夢と遊び心から飛躍的な発想が次々と生まれているもので、彼等のアイデアと知識、そして技術は、実社会でもさまざまなシーンで実用化の可能性を持っています。まさに“未来的”と言うにぴったりのロボットの発想と、平面にイメージされた世界を高度なビジュアルに変える3Dグラフィックの発想を、この機会にぜひ知って下さい。

夢が広がる3Dグラフィックス グラフィックスタジオ

コンピュータを使った3Dグラフィックス

頭の中に思い描いたことや、エンピツで紙に描いたラクガキなどに色を付け、立体にし、さらにそれを映像にして動かしてまおつという、コンピュータを使った3Dグラフィックス。

学生が作った神殿のCG

高校時代からコンピュータグラフィックに興味を持ちはじめたという安本国佐部長を中心に、男性4人のメンバーで作られるサークルが『グラフィックスタジオ』です。今や、映画やテレビ、ゲームソフトなどの世界で注されているCODグラフィックスは、最初にイメージした、あるいは最初からある素材を立体化し、それらを動かしてゆこうというもの。

学生が作ったCGアニメーション

最初からある素材を正確に立体化するためには、グリッドシステムという、パンコン画面上の方眼紙を駆使し、さらにきめ細かな数字テータを入力しながら3Dを作り上げてゆくが、頭の中にイメージしたものをCODに仕上げてゆく安本さんの場合は、データよりも発想を重視。デスクトップにあらわれるデザインをマニュアル感覚で変化させ、常に有機的な作品を作り出している。

学生が作ったCGアニメーション

「昨年の学校祭のオープニングで使用する、約4分間の映像をほとんどひとりで作らました。ストリーの発想は、現在から未来へ続く“輪廻転生”的なものをイメージ。また、登場する建物などは全て頭の中に思い浮かんでくるものを形にしたものです」と、ご自身の活動を振り返る安本さん。例えば函館の夜景を見れば、そこに巨大なオブジェがあったりする風景をすぐに連想するという、ちょっと変わった発想力の持ち主で、実際の作品は超未来的な空間の中に、ひときわレトロっぽいものが時折登場し、幻想的。

学生が作ったCGアニメーション

3Dグラフィックスの技術は、映像業界のみならず、最近は都市開発や建築、設計などの業界にされているそうで、例えば設計ソフトとして知られるCADで作られたものを映像にすることも可能なのだとか。イメージは平面だけでなく、映像でシミュレーションしてみるという発想はまさに未来的。未来を創造する夢を3Dという世界で表現するコンピュータグラフィックの世界は、企業のさま式とまな開発プロジェクトの中に必要とされる時代が予想されそう。

未来的ロボットの発想 レゴサークル

レゴで作った色々なロボット

子供から大人まで、世界中に根強い人気を誇るプロック「レゴ」。このレゴのパーツとコンピュータプログラムを組み合わせることで、さまざまな動きをするロボットを作り上げているのが『レゴサークル』。

昨年、公立はこだて未来大学で開催された「ロボカップ」でも、子供達から絶大な人気を集めたのが、このサークルで作られたレゴのロボット達。複雑なプログラムを楽しいロボットの動きに変える発想はまさに未来的といえるでしょう。

このサークルのメンバーは男性7人、女性2人の9人。皆、授業の中で知ったレゴのロボット作りの魅力にひかれ、このサークルに入ったのだといいます。

部長の千葉岳史さんは、子供の頃からメカが大好きで、周囲のメカを分解したり、また組み立てたりしながら、どんどん機械と触れあってきたという人物。このサークルの魅力は「決して理数系の知識だけでなく、ボディのデザインから細かい動きに至るまで、遊び心視した発想でレゴを作り上げてゆく点。

外部ものと触れることで動延変えるタッチセンサーや、周囲の光の明暗に反する光センサー、さらに赤外線によるリモートコントロールを用いることで人間の意志をレゴの動きに伝えてゆくことができるので、アイデア次第では企業や日常生活に役立つものを作ることも可能なのでは…」といいます。

障害物があると、前方のタッチセンサーが反応。障害物を避けるように進行方向を変えるとレゴ。走行アイテムにキャタピラが使われるなど、随所に実用化を予感させるスタイルに注目したい。

障害物があると、前方のタッチセンサーが反応。障害物を避けるように進行方向を変えるとレゴ。走行アイテムにキャタピラが使われるなど、随所に実用化を予感させるスタイルに注目したい。

赤外線で3〜5mくらいまでリモートコントロールできるレゴ。二足歩行という発想は、今回取材した作品の中でも最もロボット的でこれだけ親しみやすいデザインだから、動き出すたびに愛着がわいてくる。

赤外線で3〜5mくらいまでリモートコントロールできるレゴ。二足歩行という発想は、今回取材した作品の中でも最もロボット的でこれだけ親しみやすいデザインだから、動き出すたびに愛着がわいてくる。

リモートコンコントロールタイプのレゴ。前方、後方の車輪の使い方で細かい動きを実現させた作品。ボディのデザインはまさに未来のオートバイをイメージさせる。

リモートコンコントロールタイプのレゴ。前方、後方の車輪の使い方で細かい動きを実現させた作品。ボディのデザインはまさに未来のオートバイをイメージさせる。

ボディ上部にあるタッチセンサーに触れると、それまでくるくる回っていたレゴが直進し始める。「子供に頭をたたかれたレゴが、子供から逃げてゆくイメージ」を実現したものだそう。

ボディ上部にあるタッチセンサーに触れると、それまでくるくる回っていたレゴが直進し始める。「子供に頭をたたかれたレゴが、子供から逃げてゆくイメージ」を実現したものだそう。

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