函館の財政

2007-05-18 vol.372

函館市財務部に聞いた「函館の財政ってどうなってるんですか?」

私達が暮らす函館という街について、どれくらい知っていますか? 海に囲まれた港街で、北海道の中では歴史が古く観光資源にもあふれ、市の魚であるイカに代表される海の幸に恵まれ、周囲には美しい自然が幾つもあって…。  自分達の周囲にある素晴らしいものを知ることは最も大切なことです。さらには、最近話題の「はこだて検定」に出題されるような、街の歴史や文化を知ることももちろん大切なこと。でも、自分達の街のお財布の中身、つまり財政事情をよく知ることも、とても大切なことといえるのではないでしょうか。

函館市財務部に聞いた「函館の財政ってどうなってるんですか?」

今回は、函館市財務部の取材協力によりできる限り分かりやすく、函館市のお財布事情に迫ってみました。今回紹介した情報は、函館市が公開しているありのままのデータです。当編集室にはアナリストはおりませんので、紹介したデータを詳しく分析したり評論したりするつもりはありません。むしろ、函館市の現実の姿を受け止めて、自分なりの分析を加えながら、街の未来を考えてゆくべきなのは、私達函館市民1人ひとりなのではないでしょうか。

【なるほどその1】函館の収入と支出、借金と預貯金

収入があって支出がある。預貯金もすれば、ローンも組む——。国も地方も、簡単にいえば家計と同じような財政事情があります。国または地方公共団体の一会計年度中の一切の収入のことを歳入と呼び、その逆である支出を歳出と呼びます。函館市が昨年11月に発表した平成17年度(平成17年4月〜平成18年3月)普通会計の収入(歳入)と支出(歳出)は、次の通りです。

函館の収入と支出の解説イラスト

図の「収入」にある地方債とは、函館市が「債券の発行を通じて行う借金によって負う債務」のこと。分かりやすくいうと、支出に見合う収入がないため、市が長期のローンを組むというようなものです。月々の支払いは図の「支出」の中の公債費です。国、地方ともに歳出総額と税収の差額が拡大しており、函館においてもその差額を埋めるために地方債が増大。その結果、長期債務も増え、積み立ててきた基金も取り崩す一方となります。厳しい函館の現実の姿が見えてきます。

長期債務残高(借金)

1,579億円

積み立ててきた基金(預貯金)

123億円

函館の収入と支出のPOINT

収入

市税は減税や景気の低迷から、平成9年をピークに減少傾向にあります。また、平成15年からは、地方交付税の額が市税を上回っています。

支出

平成17年度の普通会計歳出決算額は、平成元年度に比べ484億円、59.6%増。人件費は近年ほぼ横ばいとなっていますが公債費、扶助費(平成12年度は介護保険事業導入に伴って減少)は増加傾向にあります。特に扶助費の割合は道内他都市と比較しても高くなっています。

【なるほどその2】1年間のコスト、市民1人当たりでは?

函館市の1年間のランニングコスト

平成17年度の一般会計決算額、つまり1年間函館市を動かしてゆくためにかかったランニングコストを、0歳の赤ちゃんから高齢者まで函館市民1人当たりにすると、433,579円。そのうち、市民1人が負担する市税は108,311円です。ここでは函館市のランニングコストはどんな内訳になっているのかと、それぞれ函館市民1人当たりにするとどれくらいの金額になるのかを紹介します。

函館市のランニングコスト項目解説イラスト

函館の1年にかかるコスト、市民1人当たり

433,579円

【なるほどその3】函館市の財政力を他と比較

さて、函館市の財政力とは、他都市と比較してどれぐらいなのでしょうか。ここでは、地方公共団体の財政力の強弱を示す指標として用いられる「財政力指数」(※注1)で表してみることにしましょう。

函館市の10年間の財力指数の推移

類似団体平均とは?

全国にある、函館市と同規模の都市から割り出される平均値

道内8市平均とは?

函館、旭川、小樽、苫小牧、室蘭、北見、帯広、釧路の8市から割り出される平均値

財力指数について

数値が1以上の団体は通常、普通交付税の不交付団体となります。簡単に説明すると、財力指数が1以上の団体は、妥当な水準の行政を行うための財源を団体内の税収でまかなうことができる、財政力の強い団体といえます。

函館市の財政力のPOINT

函館市は歳入に占める市税の割合が低い
函館市の財政力指数を見ると、確かに近年は減少傾向にありますが、これは類似団体平均、道内8市平均ともに減少傾向にあるといえます。しかし、指数としては類似団体平均に比べて大幅に低く、歳入(収入)に占める「市税」の割合が全国の同規模の都市よりも低いことを表しています。

函館市は義務的経費の占める割合が高い
財政力指数で分かることのほか、p1で紹介した歳出(支出)の構成比を類似団体平均や道内8市平均と比較すると、「義務的経費」といわれる「人件費」「扶助費」「公債費」(各p1参照)の占める割合が高く、特に「扶助費」の割合が高くなっているというデータもあります。

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