函館で人気のソフトクリーム
1998-07-17 vol.158
函館でアイス・ソフトクリームが美味しい地元民が通う店
夏といえば、アイスクリームの季節。ひところのブームもあり、アイスクリームやソフトクリームは相変わらずの人気で、口コミで人が押し寄せ、行列ができるお店もあるほど。ダイエットブームや低脂肪低カロリー指向の中で、アイスクリーム製品の伸びは大健闘といっていいのではないでしょうか。
アイスクリーム・ソフトクリーム大特集
なつかしのアイスクリン
アイスクリームと日本人との出会いは、いつ頃のことだったのでしょう。1860年、日米通商条約のため幕府からアメリカに遣わされた使節団の、柳川当清という人が書いた航海日記に「味は至って甘く口中に入るるに忽ち溶けて、誠に美味なり。これをあいすくりんといふ」とあるそうです。明治の初め、横浜で日本初の製造販売店ができましたが、当時はとても高価だったので、一部の貴族やお金持ちしか食べられない貴重品でした。自転車に旗をたて「あいすくりん」を売り歩く光景がみられたのは大正時代のこと。昭和30年代に入って、フリーザーつき冷蔵庫の普及などでアイスクリームの大衆化はさらに進んで販売量も大きく増えました。
ところで、アイスクリームは、プロの味もさることながら、昔なつかしい手作りの味もまた捨て難いもの。子ども時代を北海道ですごした、ある年齢以上の方々は、子どものころ、冬になると雪の中でアイスキャンデーを作ったという思い出をもっているのではないでしょうか。細長い容器に牛乳やジュースを入れて雪のなかに埋めておくと一晩で「シャーベットもどき」ができたもの。函館も、昔はそのくらいしばれる気候だったのですね。その昔、道北の冬はときにマイナス30度にも気温が下がる厳しい寒さでした。そんな厳寒のなかで子どもたちの楽しみは雪のなかの迷路作りと、雪のなかで作るアイスクリン。茶筒に、牧場でしぼったばかりの牛乳と砂糖、それに卵黄を加えてよくかきまぜ、時々筒ごと回して材料を攪拌するもの。石炭ストーブの周りで食べるアイスクリンの味は格別でした。
今は冷凍庫も普及し夏でも手軽に家庭でアイスクリームができるようになっています。手作りは材料の持ち味がそのまま活かせますし、添加物が無いので小さいお子さんにも安心。なにより手作りの満足感が味わえます。風邪やはしかで熱を出し、そのため食欲のなくなった子どもにはアイスクリームがいい、とよく言われます。乳製品の栄養と砂糖でとりあえず元気が出ますし、なにより熱のあるときには冷たい物がのどごしが良くて気持ちがいいもの。それが手作りなら、お母さんの愛情で、病気の回復も早まるかも知れませんね。
街で噂の冷た~いあの味、この味
森の特産品を健康な牛からできたアイス ピカタの森アイス工房
森町にある株式会社駒ヶ岳牛乳直営の『ピカタの森アイス工房』。
同店のジェラード、ソフトクリームは、生乳の高い栄養価をなるべく損なわないようにするため低温殺菌(65度30分)された駒ヶ岳牛乳を使用。ベースにクロレラを使い、甘さは控えめ。無着色、無添加の体にやさしいオリジナルアイス。50種類以上のアイテムがあり、店頭には日替わりで20種類あります。なかでもバニラ、ミルク、ごま、野いちごシャーベットが人気。ソフトクリームとジェラードのシングル250円、ダブル300円。店内、屋外に飲食スペースあり。
営業時間
AM10:00~PM6:00
(年中無休)
●森町字赤井川81-3
Tel:0137-45-2323
なつかしい味 富士冷菓
愛されて51年。古くから函館市民に親しまれている大森町の自家製アイスクリームとシャーベットの店『富士冷菓』。
人気があるのは大沼の山川牛乳100%使用「特製バニラアイスクリーム」、そして和菓子感覚で楽しむ「宇治金時」、ホームパーティーや贈り物に適したバニラ、チョコレート抹茶の3色アイス「ホームパック」。さらに季節限定で完熟した夕張メロンや、パイナップルを使ったシャーベットもあります。「なつかしい味がする」と、お年寄りにも人気。1個160円からとなっています。季節の味を楽しんでみてください。
営業時間
AM10:00~PM8:00
定休日 毎週木曜日
●函館市大森町18-15
Tel:22-3819
アイスクリームの王様 雪印パーラー
脂肪分16%と、脂肪が普通のアイスクリームの倍はある『雪印パーラー』の「ロイヤルスペシャル」(620円)。これは雪印パーラー特製で、観光客にも人気。北海道ならではのコクのあるハイグレードな味が、アイスクリーム党にはこたえられません。それにコクがあるといっても、甘さ控えめで後味もよく食べやすいのが特徴。全国宅配も行っているので、この味をもう1度という人からの注文がよくあるそうです。
雪印パーラーではそのほか、1つで5〜6人が楽しめる豪華なパフェ「アイ・アム・ア・ナンバーワン」(3,800円)を筆頭にパフェが種類豊富に揃い、今の時期、修学旅行の女子生徒で店は大にぎわい。凝ったトッピングで目も楽しめるパフェで、同店の味は全国に広まっています。
営業時間
AM09:30~PM7:30(ラストオーダーPM7:00)
夏期期間無休
●末広町23-9
Tel:22-5109
これぞ函館の味 ラッキーピエロ・ベイエリア本店
『ラッキーピエロ・ベイエリア本店』の「イカスミソフト」(160円)は、“これぞ函館の味”。1度は食べたい物の1つです。色はグレーで、見た目がいつものソフトクリームとは違う雰囲気なので、「あれっ」と思ってしまいますが、口に入れるといつものソフトクリームの味。そしてよく味わってみると、かすかにイカスミらしき風味が…。とはいっても、感じるか感じないか分からないくらいのものです。これが隠し味になっていて、後味はさっぱりしています。
ソフトクリームはほかにバニラ、チョコレート、ミックス、抹茶、イチゴが。そして、ミックスにイチゴをプラスして3つの味がいっぺんに楽しめるラッキーソフトもあります。値段は各160円、ラッキーソフトが220円とお手ごろ価格。観光客から地元の人まで、人気は幅広いとのことです。
営業時間
AM10:00~AM0:30(土曜日のみAM1:30)
年中無休
●末広町23-18
Tel:26-2099
牧場の搾りたてのミルクからできたアイス 牛乳クリーム 函館牛乳アイスショップ あいす118
『あいす118』のソフトクリームはコクがあって、さわやかなあとくちが人気の秘密。
函館空港から車で10分ほどの牧草地帯にある『あいす118』のソフトクリームは隣にある函館牛乳の工場で作った出来たての味が楽しめます。
遠く津軽海峡を望む丘の上からの眺めはサイロや牧草地やじゃがいも畑など北海道らしい風景が広がって、ソフトクリームの味もぐーんとアップ。海をわたる風と緑の中で食べるソフトクリームは格別です。
函館牛乳は略農家と一緒においしい牛乳を作って25年になります。おいしい牛乳は安全な牧草を食べる健康な牛からと言うことで、土作りから始めたそう。搾りたてのおいしい牛乳の味がそのまま生きているソフトクリームを味わってみて。
函館酪農公社(株)
●中野町118
Tel:58-4460
牧場直産のジェラード ノルディックファーム
大自然に恵まれたオホーツクの小さな町、生田原町の牧場で生まれたジェラード『ノルディックファーム』は手作りの味。搾りたての牛乳から作ったジェラードミックスと、厳選された材料を加えてできた20種類のオリジナルな味が楽しめます。
おすすめはクリームチーズ、果肉が40%も入っている洋ナシ、観光客に人気のハスカップ、定番のバニラ、卵と白ワインがおしゃれなサバイヨーネなど。どれも甘さ控えめで、すっきりした後味。7月からはピーチ味も登場。新鮮な牛乳からできたなめらかな手作りの味が生きています。
6月から西武デパート地階にもオープンしています。ほかに港店、末広店、高松町のYUHOH店でも営業中。
その場で食べるだけでなく、お持ち帰りや地方発送もしているので便利です。
函館店
●末広町23-21
Tel:22-0919