函館で地球最後の日に食べたい料
2010-05-28 vol.445
函館で最後の晩餐ならコレ!食通が選ぶ食べずには死ねない味
自然環境の悪化により、愛するこの地球がいよいよ明日の朝未明に滅亡することになった。残念ながら私達人類に残された時間はあとわずか…。縁起でもない話ですが、もしこんな事態になったら、あなたは地球最後の日を目前に、何を食べたいですか? 今回は函館市内在住の、食べることが大好きという人達や、仕事柄、食べ物のことには詳しいという人達に、こんな質問をしてみました。ちなみに皆様なら、何を食べるでしょうか?
『あじたか キッチン中華』の塩ラーメン
函館西高校卒業後、京都ホテルでフランス料理の仕事に携わりました。その後、12年間にわたりイギリス、フランスで修業をして、パリの「ホテルニッコードパリ」、「ホテル日航東京」の料理長を経て、10年前に函館に帰ってきました。
仕事柄、いろいろな店で飲食する機会がありますが、故郷の味であり、シンプルでごまかしのきかない塩ラーメンに出会いました。これが私が1番好きな『あじたか』の塩ラーメンです。料理は人柄、経験が全て出るものです。ここの塩ラーメンは、だしの取り方から味付けまで、きちんと作っていると思います。
故郷・函館のほっとする味ともいえます。地球が最後の時、究極の選択をするなら函館の味、『あじたか』の塩ラーメンですね。
あじたかキッチン中華
「塩ラーメン」(600円)。函館らしい塩ラーメンとして人気。
営業時間は11:00〜20:00。
不定休。
●五稜郭町36-7
Tel:51-7515
『カプリチョーザ』のイタリア現地栽培の特製トマトソースパスタ
私はこのパスタです。トマトとニンニクだけで作られているシンプルなものですが、この店でなければ味わえない特別な味なんです。2日に1度は食べたくなるくらい本当に大好きで、地球最後の日になったとしたら、もちろんこれが食べたいと思います。
イタリアのカプリチョーザ契約農場で現地栽培したトマトを、旬の時期に摘み取って加工したカプリチョーザブランドのトマトソースを使っているそうです。この特製トマトソースを生のニンニクと合わせ、コクのある濃厚な味に仕上げています。
とっても風味があるのに不思議とニンニクの残り香も気になりません。ランチで食べた後、人にお会いしても大丈夫な点も、よそのお店とは違うかもしれませんね。
イタリア料理カプリチョーザ
「トマトとニンニクのスパゲティ」(950円)。
営業時間は11:30〜22:00(LO/21:00)。毎週火曜定休日(祝日は営業)。近隣に指定駐車場有、2000円以上利用で1時間無料駐車券進呈。
●本町5-16
Tel:33-1810
『オールド ニュー カフェ』の生クリームの入ってない本格カルボナーラ
『オールド ニュー カフェ』は、私のお気に入りの店。休日を利用して家族や友人と行きます。買い物帰りなどにこの店の美味しいカプチーノを楽しんだり、手作りの美味しい料理を食べたりします。私は住まいと職場が同じなので、こういう素敵なお店で気分転換するのが至福のひと時なんです。「生クリームの入ってない本格カルボナーラ」は、メニューの名前を見て興味を持ち注文してみたんですが、とても美味しかったですね。2種類の黒コショウを使っているんですが、とにかく香りがいいんですよ。店主さんの味へのこだわりを感じます。
私も黒コショウが大好きで、自分の料理にもよく使います。料理はもちろんですが、この店は外国のような雰囲気と、店主ご夫妻の人柄がいいですね。そして何より、人様に作っていただく料理というのは最高です。
Old New Cafe
「生クリームの入ってない本格カルボナーラ」(1200円)。単品のほか、11:00〜15:00のランチセットでも楽しめる。
営業時間は11:00〜20:00(日曜日・祝日は16:00迄)。毎週月曜日定休。駐車場無。
●本町32-6
Tel:55-2005
七飯町・ふじた商店内『カプリス』のシューボンブ
甘い物が大好きなんですが、やっぱり体重も気になる…。でも、次の日に人類滅亡するんだったらどれだけ食べても誰も気にしない! 私も気にしない! そこで、私はカプリスの「シューボンブ」を食べまくります。
こちらの店主は、あの3つ星レストラン「ミッシェル・ブラス」で腕をふるっていたという経歴の持ち主。彼の生み出す“甘い爆弾”は、サクサクのパイ生地の中に特製カスタードがぎっしり! カスタードは山川牛乳を使った生クリームにほんのりラム酒の香りで、大人っぽい上品さがあります。なのに、でかい! 重い! シュークリームというシンプルなメニューながら、ぴょこんと飛び抜けた個性を持つこの子が堪らなく愛おしいです。
カプリス(ふじた商店内)
「シューボンブ」(300円〜)。中身はカスタードクリームなど3種類。作りおきせず注文後に作っているので、電話での事前注文がオススメ。
営業時間は10:00〜19:00。隔週月曜日定休。駐車場無。
●七飯町本町6-3-3
Tel:64-6056
『寿し日本海』の厚焼き卵
“地球最後の日に食べたい”ものは、市内柏木町にある『寿し日本海』の「厚焼き卵」です。お寿司屋さんの雰囲気が好きでよく行く私に、知人が「日本海のシメ鯖は最高。ほかにも、何を食べても美味しい」と勧めてくれたのがきっかけでした。
職人気質で商売気のない大将なので、納得ゆくもののみを提供し、目当てのものが食べられないこともあります。私が初めて行った時もシメ鯖は食べられませんでしたが、最高の「厚焼き卵」と出逢えました。一見シンプルな厚焼き卵ですが、みずみずしくプルッとした口当たりと程良い甘さで飽きのこない味わいです。重くないので、おつまみにもいいですよ。大将いわく、「特別なものは使っていない」という厚焼き卵は、職人技の逸品だと思います。
寿し日本海
近海の魚介類使用の店。紹介の「厚焼き卵」は、シャリの旨さが光る握りでも味わって欲しい(各1人前300円)。
営業時間は17:00〜26:00(前日迄の予約で昼の出前可)。毎週水曜日定休。駐車場有。
●柏木町20-18
Tel:54-5579
『炭火焼肉 じゅうじゅう』のユッケ
生の肉が好きなんですが、『炭火焼肉 じゅうじゅう』のユッケは美味しいですね。
ユッケというのは、牛肉を細かく刻んで卵の黄身やタレと一緒に混ぜて食べるんですが、ここの肉はそれだけで濃厚な味わいがあります。黄身と混ぜるといっそうまろやかでとろけますね。いくらでも食べられそうです。
家族のお祝い事など、なにかあるといつも食べに来るんですが、きっと最後の日にも食べたくなると思いますね。お店のスタッフも感じよく、生ビールも美味しいです。特製のたれもいいですね。やはりここのユッケの美味しさは食べてみないとわからないです。
ほかに、上タンもまた美味しいんですよ。ここのユッケもタンの味も、ほかではちょっと味わえないですね。
炭火焼肉じゅうじゅう
「ユッケ」(980円)。空気の美味しい山で育った栃木県の和牛または、宮城県の和牛を使用。濃厚な味わいの逸品。
営業時間は17:00〜23:00時。毎週木曜日定休。
●富岡町3-25-13
Tel:43-0450
『レストラン プティコション』のコンソメのフランと季節の野菜のスープ
市内梁川町にある『レストラン プティコション』の1050円のランチコースに出てきたスープが、地球最後の日に食べたいものです。
スープが好きなのでスープが入っているメニューはよく注文しますが、このスープは主役級です。スープの1番下は茶碗蒸しのようなもので(コンソメのフラン)、その上のグリーンピースのポタージュは、上がカプチーノの泡のようになっている手の込んだものです。泡の部分は、温かさや香りを逃さない役割をしているようにも感じました。新感覚の部分と優しい味わいが見事に調和した最高のスープのほか、どの料理もとても美味しく安すぎると思いました。
お店の雰囲気やスタッフの対応もいいので、ここに来れば間違いなしですよ。
レストランプティコション
「コンソメのフランと季節の野菜のスープ」(ランチコース1050円〜)。ディナーでこのスープの利用は要予約。
営業時間は11:30〜LO14:00、17:30〜LO21:30。毎週月曜日定休。駐車場有。
●梁川町12-13
Tel:56-5600
『活魚料理 いか清』の活やりいか刺し
地球最後の日というか、函館最後の日にはイカのお刺身を食べたいですね。
母の実家が水産加工と漁業をしていたので、子どもの頃、おばあちゃんの家に行くと、朝ご飯はイカのお刺身でした。毎日穫れたばかりのイカが箱で届けられたのを覚えています。穫れたてのイカは透明で時間が経つと色が変わっていきます。
『いか清』の「イカ刺し」は、生きているイカをお刺身にするので、透明でコリコリっとした食感がいいですね。あくまで薄く切ったイカに、生姜をのせ、ほんの少しのお醤油を垂らしそっと混ぜて食べます。その後、まだ動いている足を、焼いたり、揚げたりとお好みで調理してくれます。やっぱり最後のごはんは、白いごはんと「イカ刺し」ですね。
活魚料理いか清
「活やりいか刺し」(時価)。6月1日からはイカ漁が解禁になりますので、それからは、「真いか」になります。
営業時間は17:00〜24:00。毎週日曜日定休。
●本町2-14
Tel:54-1919
『ベイサイドレストラン みなとの森』のいろいろ焼き野菜サラダ
登別の「オーベルジュゆふらん」という温泉宿泊施設で、きどらないフレンチを作っていらっしゃった福井孝敏シェフの味が大好きでした。
函館からわざわざ足を運ぶ価値がある味ばかりで、特製のお粥や玉子のお料理、素朴な野菜などが格別の味で…。残念ながら「ゆふらん」は限定期間だけの営業施設だったため、閉館を惜しんでいました。しばらく後、函館で偶然シェフの奥様と再会。シェフは現在、『ベイサイドレストラン みなとの森』で腕を振るっていらっしゃるとお聞きし、非常に感激しました。
お店のコンセプトが違うので、私の大好きだったお粥は今のメニューにありませんが、福井シェフのおすすめしてくださる料理を食べたいと思います。
ベイサイドレストランみなとの森
「いろいろ焼き野菜サラダ」(700円)。絶好のロケーションが魅力的な店。
営業時間は月〜金曜日11:30〜21:30、土・日曜日、祝日11:00〜21:30。1000円以上利用で専用駐車場2時間無料。
●豊川町1195
Tel:21-1181
『じゅげむステーキハウス』のビーフシチュー
地球が最後の日に何を食べたいかと聞かれてすぐ思い浮かべたのは、『じゅげむステーキハウス』の「ビーフシチュー」です。
『じゅげむステーキハウス』には、小学校に入学した頃から行っていたと記憶しています。家族で食事に行った思い出がいっぱいのお店です。子ども心に、両親、両親の祖父母、兄とそろって出かけて、おいしいビーフシチューを食べることがとても嬉しかったことを覚えています。今でも、両親や兄夫婦とその子ども達とも一緒に行っています。
お店のご主人も奥さんも温かい人柄で、料理からその温かい心が伝わってきます。最後に食べるなら、心が温かくなる『じゅげむステーキハウス』の「ビーフシチュー」ですね。
じゅげむステーキハウス
「ビーフシチュー」(2310円)。
営業時間は11:30〜14:00、17:00〜21:00。日曜日、祝日は夜のみ営業。毎週水曜日定休。契約駐車場有(お問い合わせ下さい)。
●本町4-9
Tel:56-0905