今回は幕末ゆかりの地の紹介に加え、本紙のこれまでの取材経験を活かして、散策の後に美味しいランチを楽しめるお店をセットで紹介してみました。ゆっくりと幕末を楽しんだ後は、美味しいランチを楽しんで下さい。1人で…、ご夫婦で…、お友達同士で…、さあ、早速出かけましょう。
坂本龍馬コース
- 北海道坂本龍馬記念館
- ル・ヴァン
坂本龍馬は、1867年に「私は北海道に渡り、新しい国をつくることが積年の思いであり、たとえ1人でもやり遂げるつもりです」と手紙に書いています。龍馬はその思いを実現することはできませんでしたが、甥で養子となった坂本直は1868年、五稜郭におかれた箱館奉行所(箱館府)の役人として来道し、箱館戦争にも従軍しています。さらに龍馬の縁戚にあたる澤辺琢磨は、山上大神宮の宮司となった後、ハリストス正教会の司祭だったニコライと出会い、洗礼を受けて日本で始めてギリシャ正教の司祭となりました。幕末の函館は人口2万人ほど、日本で最初に開港し、西洋文化も入りはじめた最先端をゆく町。龍馬が生きていたら、間違いなく函館に来ていたことでしょう。北海道坂本龍馬記念館は入館料一般300円、高校・大学生200円、小・中学生100円。開館時間は午前10時〜午後6時。毎週月曜日休館(月曜日が祝日の場合は翌日休館)。
●末広町8-6
十字街電停正面
Tel:24-1115
ル・ヴァン
地元の食材を活かした創作フレンチと絶好のロケーションで人気のレストラン『ル・ヴァン』。午前11時30分〜午後2時30分(LO/午後2時)のランチタイムには1000円、1500円、2000円の3種類のランチがある。写真は2000円ランチの前菜「季節野菜のパレット」。春の味覚をぜひ! ディナータイムは午後5時〜午後10時(LO/午後9時)。毎週火曜日定休。
●末広町3-5
ヴィラ・コンコルディア リゾート&スパ6階
Tel:24-5300
土方歳三コース
- 五稜郭タワー
- 旬花
1868年(明治元年)10月19日、土方歳三、榎本武揚、大鳥圭介達は兵士3000人とともに8隻の軍艦で北海道鷲の木に上陸。当初は旧幕府の人々の救済として、蝦夷地(北海道)の開拓が目的でしたが、政府軍と戦闘となりました。旧幕府軍はその後五稜郭に無血入場し、一時は政府樹立の宣言もしました。しかし戦闘は激しくなり、土方歳三は一本木で戦死。ついに翌年5月18日に降伏。五稜郭内にあった箱館奉行所は明治4年に新政府によって取り壊され、蝦夷地開拓の中心は札幌に移りました。蝦夷地の中心ではなくなったこの時が、函館にとって幕末が終わったといえるのかもしれません。五稜郭タワーでは、五稜郭の成り立ちから箱館戦争終結までの歴史を詳しく紹介しています。入場料金は大人840円、中・高校生630円、小学生420円。
営業時間は4月21日〜10月20日が午前8時〜午後7時、10月21日〜4月20日は午前9時〜午後6時(12月1日〜2月末は午前9時〜午後7時)。年中無休。
●五稜郭町43-9
Tel:51-4785
四季海鮮 旬花
五稜郭タワー2階にある『四季海鮮 旬花』の午前11時〜午後3時30分(LO/午後3時)のランチタイムのオススメは、「季節の旬花弁当」(=写真、1580円)。月替りの「昼会席」(要前日予約)は2100円、3150円、4200円の3種類。それぞれ、少しずつ色々な味を楽しめるのが特徴。昼、夜ともに地元客に人気の1軒。個室も13室あり、予約可能。宴会にもオススメの夜の
営業時間は午後5時〜午後9時30分(LO/午後8時30分)。無休。
●五稜郭町43-9
五稜郭タワー2階
Tel:30-6336
函館開港コース
- 函館市旧イギリス領事館
- ヴィクトリアンローズ
函館市旧イギリス領事館(開港記念館)は、西部地区の基坂にあります。領事館が開設されたのは函館が開港した1859年のことです。その頃の基坂周辺には、ペリー来航以降、各国領事館があいついで開設されたました。以来貿易が盛んになり、函館には西洋の文化がいち早く入って来ました。ちなみに幕府は北辺を守る兵士の壊血病対策としてコーヒー豆を配給しました。これが日本のコーヒーの始まりといわれています。函館市旧イギリス領事館を訪れると、外国船が忍び寄る開港前夜から開港後の様子を展示している「函館開港の歴史室」や、西洋文化が入り変わってゆく函館の様子を展示しています。ここから近い旧桟橋エリアにはペリーが箱館奉行と会見した跡地もあり、幕末の函館が体感できます。開館時間は午前9時〜午後7時(4月1日〜10月31日、11月1日〜3月31日は午後5時迄)。休館は12月31日、1月1日。一般料金大人300円、学生・生徒・児童150円。
●元町33-14
Tel:27-8159
ヴィクトリアンローズ
函館市旧イギリス領事館内『ティールーム ヴィクトリアンローズ』は、本場・英国の紅茶やデザートが楽しめる店。館内見学の後はこの店で、英国伝統のアフタヌーンティーをいかが…。「アフタヌーンティーセット」(1人分1260円、写真は2人分)は、紅茶にケーキ2種、クッキー2種、サンドイッチ2種、スコーン付。単品でおすすめの「スコーン」(250円)に付くバラジャムもこの店自慢の味。
営業時間は午前9時〜午後7時。無休。
●元町33-14
Tel:27-8159(エイコク)
湯の川温泉コース
- 湯倉神社
- コッコクック
湯の川温泉の歴史は古く、発祥は550年ほど前にさかのぼります。江戸時代までは、現在のような温泉地ではなく、、近隣の農家などが利用していたようです。幕末期には現湯倉神社の薬師堂の丘下辺りに温泉が湧き出ていました。箱館戦争の時に榎本武揚は度々五稜郭から湯川に散歩に訪れ、温泉に入浴をしていたようです。こうして湯川を調査し、傷病兵の治療に適することを確認した上で、湯川橋から北東にあった農家を改良して野戦療養所を設けました。箱館戦争の最後を覚悟した榎本武揚は、五稜郭内の傷病兵200人ほどを政府軍の許しを得て、湯川温泉に送りました。今はその面影は残っていませんが、これが由来となって町は榎本町と名付けられました。温泉発祥の碑は湯倉神社入口階段下の右側に位置しています。
湯倉神社
●湯川2-28-1
Tel:57-8282
コッコクック
日差しの降り注ぐ明るい店内で散歩の後のひと時をどうぞ。「ハンバーグランチ」はサラダ、スープ、ドリンクがついて1000円。あらびき肉を使った食べごたえあるハンバーグと日替わり3種類のソースがおすすめです。オムライスは15種類以上がそろい、これも人気メニューです。ドルチェ専用のスタッフが作るケーキやパフェも好評。
営業時間は午前11時30分〜午後9時(LO/午後8時30分)。年中無休。駐車場有。
●花園町1-15 函館大学有斗高校並び
Tel:31-1524
新島襄コース
- 新島襄海外渡航乗船之処碑
- モストゥリー
江戸で英語を学んでいた新島襄が箱館に来たのは、1864年4月。海外渡航の夢を抱いていました。箱館では、五稜郭を設計した武田斐三郎が教授を勤めていた諸術調所で学ぶことになっていました。その後、澤辺琢磨からハリストス正教会のニコライ司祭を紹介され、ニコライには日本語を教え、ロシアの士官ピレルーヒンからは英語を学びました。こうして僅か2ヶ月後に、造船技師の福士成豊が漕ぐ小舟に身を隠して、アメリカ商船ベルリン号に乗り込むことに成功。発覚すれば、本人はおろか協力者も打ち首なるようなことです。危険を犯してまで協力する者がいたのも幕末の変革ヘの熱意だったのでしょうか。新島襄海外渡航乗船之処碑は旧桟橋近くにあり、また、ベイエリアには渡航する新島襄の像が設置されています。
モストゥリー
緑の島の近く、海の風が届きそうなお店『モストゥリー』。ここのおすすめはランチメニューの「オリジナルキーマカレー」。スパイシーな香りが食欲をそそり、ナッツ入りのライスとの相性も抜群。サラダ、デザート、コーヒーまたはオレンジジュースがついて850円。ランチはほかに「本日のパスタ」もあります。
営業時間は午前11時45分〜午後2時、午後5時30分〜深夜0時。土・日曜日は通しで営業。ランチは午後2時迄。毎週月曜日定休。
●大町9-15
Tel:27-0079
箱館戦争コース
- 亀田八幡宮旧社殿羽目板
- スミレカフェ
幕末の頃の亀田地区は現在のような市街地ではなく、緑が生い茂る森が広がっていました。亀田八幡宮も森の中にあったようです。箱館戦争では、この付近一帯で戦闘が繰り広げられ、142年たったいまでも亀田八幡宮旧社殿羽目板には、その戦の激しさを物語る弾痕が残っています。1869年5月17日、榎本武揚はついに降伏を申し出ます。政府軍参謀の黒田清隆との終戦の会見は亀田村の農家で行われ、盃を酌み交わしたといいます。その後、黒田清隆と榎本武揚は亀田八幡宮に参拝し、神前で戦争終結の誓約を行ったそうです。旧社殿は1863年に改築されたので、当時はまだ新しいものでした。静かな農村地帯で繰り広げられた箱館戦争は、付近住民には、どのように受け止められたのでしょうか。
亀田八幡宮
●八幡町3-2
Tel:41-5467
スミレカフェ
「むげん空間小春日和」内にある『スミレカフェ』でホッと一息つきませんか。ふんわりやさしい「豆乳パンケーキ」がおすすめ。ボリュームたっぷりのランチセット「豆乳チーズパンケーキ(ベーコンエッグ)」はコーヒーまたは紅茶がついて950円。抹茶アイスクリームがついた「小春日和和風」(600円)や「オーガニックコーヒー」(350円)もあります。
営業時間は午前11時〜午後6時(ランチ午後2時迄)。毎週木曜日・毎月第2水曜日定休。
●八幡町18-18
Tel:83-7721