潮風薫る美しい温泉郷…湯川BEST10
さて、本紙『地域活性化応援企画』の第3弾は、ずばり湯川地区。道内を代表する観光地としてはあまりにも有名なこの界隈にスポットを当て、さらに、地元の人達から密かな人気を集めている隠れた穴場について探ってみた。今回もまた、バスト10の順位はあくまで参考。この界隈には素敵な店や注目の場所がいくつもあり、全てを紹介できないのが残念だったが、小誌の企画を機に、潮風の薫りが郷愁をそそる温泉郷・湯川にぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。
第1位湯川温泉街
寒い日は、ゆったり温泉に入って日頃の疲れを癒したい…そんなあなたにぴったりの湯川温泉は、函館駅前から市電で約25分。温泉街を流れる松倉川、湯川、鮫川の3つの川沿いや津軽海峡に面した海岸線に沿って旅館やホテルが建ち並ぶ。
現在、旅館やホテルは28軒。ほかに保養施設や民宿を含めると50軒ほどの宿泊施設がある。年間100万人の観光客が訪れる道内でも有数の観光地である。
湯川温泉には1653年、松前藩主9代目が幼い頃に難病にかかった際に、湯川温泉に入って全快したという故事が伝わっている。その後、明治時代に石川藤助という人物が高温良質な温泉を掘り当て、それが今の湯川温泉のはじまり。その昔、北洋漁業の基地として北海道の玄関となり「函館の奥座敷」と言われ賑わったが、今では観光客や修学旅行生が季節を問わず訪れている。また、昼の会食や夜の宴会など、温泉に入って食事を楽しむ市民も多い。
毎年8月に開かれる漁火まつりは灯ろう流しやみこし行列など様々な催し物と花火大会で賑わう。松倉川河口から打ち上げられる花火は迫力満点で、多くの市民が訪れ子供から大人までが美しい夏の夜を楽しんでいる。
第2位湯倉神社
市電の終点「湯の川」で下車すると、立派な鳥居の湯倉神社がある。伝説によると今から500年前、一人の木こりが小高い丘で温泉を発見、その後病気になった時にその温泉で湯治して治したという。その木こりがお礼に薬師如来を刻みほこらを造って奉ったのが湯倉神社の起源だという。
また1653年、松前藩の9代目高広が幼い頃重い病気にかかり、湯川温泉で湯治して全快したが、そのお礼に松前藩では神社の社殿を改装し、鰐口を奉納した。
湯倉神社は湯川とその近隣の人々にとってお祭りやお祝いごとなど、季節や人生の節目に欠かせない存在として初詣や厄払い、七五三参りなど参拝する人も多く、湯川温泉の発祥の地としても親しまれている。最大の行事である例大祭は毎年9月7・8・9日に行われ、催し物や夜店などで賑わうが、なかでも夜みこしは勇壮で地元だけでなく遠方からもみこしをかつぎにやってくるという。懐かしいワタ菓子や塩豆、風船売りなど、昔ながらのお祭り風景もあり郷愁を誘う。
第3位松倉川
横津山系袴腰岳に端を発し、全長24km、ハルニレやブナなど深い緑の中を蛇行しながら豊かな自然の恵みを育て、湯川温泉の河口から津軽海峡に注ぐ清流「松倉川」。温泉街を流れる松倉川は湯川温泉独特の情緒をかもしだし、川に遊ぶカルガモとともに住民のいこいのスポットとして知られる。源流から河までいくつもの滝やそれを囲むみどりの情景、河畔林や鳥たち、川に住む魚や虫など川の作り出す風景は街に潤いを与えている。
松倉川を取り巻く自然環境のなかで自然のままに咲いている花たちもまた魅力の一つ。春に咲く福寿草から白く可隣なニリンソウ、薄紫のカタクリなど貴重な花が季節の訪れを知らせる。
温泉街のはずれ、ダイエー湯川店横を流れる松倉川は流れもゆるく、春には小さな魚の泳ぐ姿が見られ、夏は子供たちの遊びで賑わい、秋には鮭の産卵の姿も観察されている。川岸は桜の木が植えられ、道路脇に自生する野草を見たり川を眺めながらの散策やサイクリングもまた楽しそうである。
第4位市営熱帶植物園
市民におなじみの熱帶植物園。園内は冬は20度から24度、夏なら30度以上になるという暖かさ。植物はアメリカ、台湾、フィリピン、アフリカなど世界の熱帯地方から、国内では沖縄や九州など北海道では生育しない植物が多種栽培されています。種類は700種6000本になるといい、動物ではフラミンゴやあらいぐまなどが飼育されています。4月から10月までは水深50センチ、水温29度のお湯が作られます。夏になると水遊びを楽しむ子どもたちで大にぎわい。もう1つ人気はバッテリーカー。使用料金一回50円で乗れます(冬期を除く)。全国的に有名になった温泉に入る猿たちも冬の名物に。現在135頭いるそうです。
入場料大人305円、小中学生100円幼児無料。市内に住所を有する65歳以上の高齢は半額、身体障害者とその介護者は無料。駐車場140台。開園時間4月~10月午前9時30分~午後6時、11月~3月午前9時30分~午後4時30分。休園日12月29日~1月1日。
●湯川3-1-15
Tel:57-5787
第5位市民会館市民体育館
函館市民会館の開館は昭和45年。コンサートや各種の会合、発表会などに利用できる施設として大ホール(固定席1370席)をはじめ、小ホール(移動椅子席500席)、大会議室(移椅子席300席)、小会議室(2室)和室、展示室を有する。施設の周辺には、美しい花時計や噴水で飾られた庭が子供連れで散歩に訪れる親子も多い。開館時間は午前9時~午後10時
●湯川1-31-1
Tel:57-311
市民体育館の開館は昭和50年。バスケットボールやバドミントンなどのスポーツのできる施設收容人数5000人(固定席1500席、椅席3500席)という1720平方メートルの競技場をはじめ、体育室(5室)、トレーニング室、サウナ室(2時間600円)会議室(3室)、更衣室、シャワー室などの設備がある。入館料は大人120円、高校生90円、小中学生60円。開館時間は午前9時~正午、午後1時~午後4時30分、午後5時30分~午後10時。
●湯川1-32-2
Tel:57-3141
第6位やきだんごの銀月
湯川商店街にある『やきだんごの銀月』は遠方からも足を運ぶ人が多い人気の店。
昭和41年の創業以来、厳選された素材と基本に忠実な製造法で、出来たてのまろやかな味を守り続けている。
銀月といえば串団子といっていいほどファンの多い串団子はやわらかく、ボリュームたっぷり。しょうゆ、あん、ごま、きなこがどれも贅沢なほどたっぷり使われ、満足ゆく味だ(84円)。昨年から店頭に並んだ二色団子は、中の牛皮があんと抹茶に包まれ絶秒なハーモニー(105円)。発送もできるべこもちは、市内はもとより全国的にも人気の高い商品(150円)。他には草大福、豆大福(各105円)もおすすめ。「ひとつひとつを丁寧にお客様に喜んでもらえるよう製造、販売しております」と話す銀月のお菓子は真心こもった優しい甘さ。ぜひ一度味わってみては。
営業時間は午前8時30分~午後6時。定休日は毎週日曜日と第3月曜日駐車場2台。
●湯川2-22-5
Tel:57-6504
第7位 きくちのモカソフト
湯川でソフトクリームといえば、きくちのモカソフト。20年前に『ティールームきくち』誕生とともに出来たモカソフトは、湯川だけでなく市内各地からファンがつめかけるという本物のコーヒーの香りとほのかな苦味、そしてクリームの甘さがひとつになったその味は一度食ベたらやみつきになる。そのシャリシャリ感とほのかなコーヒーの香りがあとをひくおいしさで、味の秘密は専用の豆をっておとしたコーヒーでその手間ひまかけた手作りの味。本格コーヒーの香りに子供はもちろん、年齢、性別問わず愛されているロングセラー。モカバニラ、ミックスの3種類があり、持ち帰りが200円。店で食べると270円。
アイスクリームのかわりにソフトクリームを使ったパフェが新たにお見えして人気上昇中。バナナ、フルーツ、チョコ、ブルーベリー、小倉の5種類があり各550円。ティールームの営業時間は午前9時30分〜年後10時20分。ソフトクリームの販売は午前9時30分~午後10時20分。定休日なし。
●湯川3-13-19
Tel:59-3495
第8位 湯川パレス温泉家族風呂
湯川町の東郵便局向いかいにある『湯川パレス温泉家族風呂』は100%天然の温泉。温泉があふれるほど湧き出ているので、いつも透明で清潔なのがウレシイところ。豪華な浴室と脱衣所のスペースも広くてゆったり。また、高齢者や身体の不自由な人も安心して利用できるように全室手すりを設置。効能は筋肉痛、関節痛、慢性皮膚炎、冷え症、疲労回復などがあり、100%温泉だから効果も高く、体の芯まで温まる。基本料金は大人2人まで、子供(小学生以下)2人までで1時間1580円。大人1人につき500円、子供1人につき200円追加。延長は15分500円。午前10時~午後3時に1人で利用するとサービス料金の1200円で1時間入浴できる。オススメは平日の午前10時~午後3時に受付すると、無料で20分延長できる点。これならゆっくり楽しめそうだ。営業は午前10時~午後11時(受付)。年中無休。駐車場35台。日曜・祝日は混雑するので電話予約を。
●温川2-10-17・湯川パレス6階建てマンション
Tel:57-1035
第9位 後藤精肉店のコロッケ
『後藤精肉店』の人気のコロッケは、素材の味が生きているのがおいしさの秘密。揚げたてのコロッケをほおばると、カリッとした衣の歯触りとホクホクしたおいもの食感が口の中で混ざり合う。いもの味が生きているプレーン味と、おやつにぴったりのカレー風味のコロッケの2種類がありどちらも60円。TV番組で紹介されてから人気沸騰中のこの店のコロッケは、家族総出で皮むきからはじまるそう。店主の後藤亮さんが、結婚を期に何か新商品を…と考えて作りはじめたのがそのきっかけ。牛乳で溶いた衣、じっくり妙めた玉葱の甘み、肉がたっぷり入って、大人から子供まで満足の一品。この味にたどり着くまでは試行錯誤の繰り返しだったという。奥さんの友人のアイデアで作りはじめたカレー味も好評。
ほかにヒレカツ(50g)150円、トンカツ(100g)250円、カラ揚げ100g〈豚〉250円、〈鶏〉200円。営業時間は午前10時~午後7時。日躍・祝日定休日。
●湯川2-26-16
Tel:57-8287
第10位 ブルートレイン
ラーメン屋さんの中で一際ユニークで目だっている『ブルートレイン』。
開業は昭和60年で、今年で7年目を迎える。オーナーはもとタクシー運転手。脱サラしてブルートレインを始めたという。店はもとは車掌車だったもので、当時の国鉄清算業団から購入したそうだ。鉄道車を店にしようとしたのは、どこにでも移動できて便利と思ったから。土地柄、観光客が多いが、あくまでも「地元の人においしいラーメンを」がモットー。材料には防腐剤、添加物を使わないからその日のうちに使い切るようにしている。南茅部のこんぶだしを中心にしたスープはコクがあるが、くどさは無い。メンはやや太めで真っすぐ、量は多いが値段は安い。特急ラーメン(メン2個入り)590円、普通ラーメン(1個入り)490円、恵山(もやし入り味噌あじ)590円。メニューには鉄道にちなんだ名前がつけられている。ラーメンは中学高校生は100円割引(日・祝日は除く)。営業時間午前11時~午後8時30分(ラストオーダー)。毎週火曜定休。
●湯川1-26-22
Tel:59-5051