谷地頭・住吉界隈散策スポット

2005-07-29 vol.329

谷地頭温泉に入ったら住吉町の観光スポットにも行きませんか?

市内西部地区といえば、観光メッカとして賑わう元町・末広町界隈を想像しがちだが、函館八幡宮から住吉漁港へ続く谷地頭・住吉町界隈も、昔ながらの佇まいの残る場所として昔から市民に親しまれている場所。電車道路から函館八幡宮までの表参道には廉売や酒屋などといった地域の店が立ち並び、のどかな商店街を形成。付近には、体がよく温まると谷地頭温泉がある。隣町の住吉町には当市を代表する漁港のひとつである住吉漁港があり、天気のいい日に望む津軽海峡は絶景。この界隈から見上げる函館山のうっそうとした緑も素晴らしく、歩いているだけで古き良き時代へとタイムスリップした感覚になる——。

谷地頭温泉に入ったら住吉町の観光スポットにも行きませんか?

恒例の本紙地域活性化応援企画も早いもので14回目。道南各地域の魅力を毎回、地元紙ならではの切り口で紹介してきたわけだが、今回はズバリ、函館山の麓にある魅惑の街・谷地頭・住吉町界隈にスポットを当ててみた。例によってベストテンの順位はあくまで参考。調べるほどに、取材するほどにその懐の奥深さを知った素敵な街に、貴方もぜひ足を運んでみてはいかがだろうか…。

【青いぽすと地域活性化応援企画第14弾】谷地頭・住吉町界隈ベスト10

谷地頭・住吉町界隈

そこには美しい海がある…、輝く緑がある…、人情味あふれる商店街がある…、人の心と体を温めてくれる温泉がある。
湯桶を抱えて表参道を歩く人の姿を目にすると、古き良き時代が脳裏に甦る。それは便利で快適な社会が置き去りにした素晴らしきサムシング。美しき街並の魅力は時空を超えて…。八幡宮の鳥居、湯けむり、波の音、カモメの鳴き声——。

谷地頭温泉

谷地頭温泉の露天風呂

『市営谷地頭温泉』は昭和28年にオープン。平成10年のリニューアルでは、「すべての人にやさしい施設」をテーマに、外観は敷地周辺の風景に自然に溶け込むよう、また、施設内はあたたかい色彩で演出。また、高齢者や身体の不自由な人、子供が安全に利用できるよう床面は段差がなく、浴場内にも手すりや身体の不自由な人が利用しやすいイスを設置するなど、幅広い人が気軽に利用できる温泉としても注目を集めています。
男湯・女湯共に高温、低温、泡風呂、露天風呂があり、特に五稜郭公園をイメージした露天風呂は人気。効能は神経痛、筋肉痛、関節痛、慢性皮膚病、疲労回復など…。早朝から営業しているという点も魅力です。料金は大人370円、中人(6才以上12才未満)140円、小人(6才未満)70円。30人以上の団体割引有。

営業時間は午前6時〜午後9時30分。毎月第2、4火曜日定休。第1、2駐車場有(93台)。

●谷地頭町20-7
Tel:22-8371

函館八幡宮

函館八幡宮

緑豊かな函館山の杜を背に、清浄な雰囲気をたたえている『函館八幡宮』は、1445年創立の、道内屈指の歴史を誇る神社。
創立時は現・元町の旧函館区公会堂近くにあり、亀田郡領主河野正通が城郭を創建する際に鎮護の神として祀ったのがそのはじまり。現在地に移ったのは明治13年で、威風堂々とした社殿は大正4年に完成したもの。「大正式八棟造」の代表作といわれ、後に明治神宮を設計したという設計士により、本州の神社にみられる建築様式で建造されました。軒の棒の太さを微妙に変えて造られたという美しい屋根のカーブが特徴です。
例祭は毎年8月15日に行われ、2年毎に神輿渡御があります。神輿渡御は八幡宮の130段の階段を駆け登る勇壮なもので、全国的にも珍しく函館名物としても有名。明治27年に完成し、市の指定文化財に指定されている大神輿は、市民の寄付金を中心に浄財が集められ、京都に特注し製作したもの。市内に現存する神輿の中で最も古く、細部にまで技工を凝らした工芸品としても一級品と評価されています。

●谷地頭町2-5
Tel:22-3636

立待岬散策ルート

立待岬

みどころが多く、訪れる人も多い立待岬までの散策ルート。立待岬へ上る坂道には、石川啄木一族の墓がよく知られている。函館を愛し、「函館で死にたい」と言った啄木の遺志を継いだ節子夫人の希望で大正2年に遺骨が移され、一族と共にここに眠る。
その先には、青い海と荒々しい岩肌の絶壁が広がる立待岬が…。函館山の南端に突き出たこの岬は、晴れた日には下北半島を望むことができ、広い津軽海峡を一望できる。かつては異国船を見張る要所であった。「立待」とはアイヌの言葉で「岩上で魚を待ってヤスで捕る所」といわれている。岬からの下り坂は緑濃く、鳥達のさえずりが響く神秘的な静寂に包まれて、函館山の麓へと続く。途中の碧血碑(へっけつひ)は、土方歳三をはじめ箱館戦争に敗れ賊軍となった旧幕府軍の戦死者約800名が祀られている。歴史や自然を肌で感じられるルートは徒歩での散策もおすすめ。なお、このルートは4月1日〜10月30日の間の午後8時〜午前8時の夜間と、冬季は通行止め。

住吉漁港

住吉漁港

住吉町や青柳町界隈は明治6年以前はアイヌ語で通称スサビやシリサワベと言われ、その後、住吉町や青柳町などの町名がついたといわれています。『住吉漁港』と正式に指定されたのは昭和38年。当時は100槽あまりの漁船があり、昆布やワカメなどの海草類のほか、冬にはタコも多く採れていました。
昭和50年代後半から海草類などは減ってきているものの、現在は春にはチカ、春から夏にかけてはウニ、昆布、冬のアワビやタコなどの漁業が行われています。漁港には30槽ほどの漁船があり、隣接の大森地区の船上げ場としても利用されています。周辺は、サーフィンなどのマリンスポーツを楽しむ人や、釣りを楽しむ人も少なくありませんが、網から300メートル程度離れてほしいとのこと。近年、漁業従事者の数は減ってきていますが、岩場の多い住吉周辺の海で採れるウニやアワビなどが、私達の食生活を豊かにしてくれているといえるでしょう。

谷地頭廉売

谷地頭廉売

『谷地頭廉売』は魚屋、八百屋、塩干物屋の3軒が、肩を寄せ合うようにたたずむ小ぢんまりとした市場。地元で愛され、客もみな顔なじみ。のんびりした空気が流れ、素朴であったかくなつかしい雰囲気。「今日は何にする?」「今日はこれがいいよ」と言葉を交わす、市場ならではの対面販売のよさが何とも心地よく、安心のお買い物ができます。
谷地頭温泉帰りの人達も立ち寄ってくれることも多く、温泉に来るたびに買い物する人も…。月毎に「特売デー」を設けたり、近場の人へは配達をするなど、地元の市場としてのサービスも色々。もちろん電話注文や、遠方への配送もOKです。

営業時間は店舗により異なりますが、午前10時から午後6時くらいまで。定休日は日曜日ですが、祝日は営業。

●谷地頭町21-9
Tel:27-0641

懐石の里 煌

懐石の里煌の入り口

谷地頭電停から函館山方向に登ると見えてくる瀟洒な和風の建物が『懐石の里 煌』。煌の前にはさえぎるものが一切なく、どの部屋からも市街地と津軽海峡が見渡せるという最高の立地。店内は御簾がかかり優雅な雰囲気で、素晴らしい景色と丹誠こめて造った料理が同時に楽しめます。料理は、昼は2100円の季節懐石と夜は2600円から15000円まであり、どのメニューも13点の料理が付きます。料理は和食からフランス料理、イタリア料理までを取り入れた献立で、幅広い味覚が楽しめます。向いにある姉妹店の宿泊施設『遊季』は、部屋が全て和室で、落ち着いた純和風の佇い。煌、遊季いずれも事前に申し込めば、無料バスでの送迎可。

営業時間は午前11時30分〜午後1時30分、午後5時30分〜午後7時30分。毎月第1、3水曜日定休。予約制。駐車場有。

●住吉町17-1
Tel:27-7288

鮨乃江戸松

鮨乃江戸松

ネ…ネタがとにかく大きい。厚みもあるのに口に入れるととろけてゆく——。
このお見事なお寿司は『鮨乃江戸松』で食べられます。谷地頭で店を構えて28年。店主の松谷さんは、早朝、必ず市場に出向いて自らの目でネタを選びます。その上、にぎりは「梅寿司」(1050円)から「特上寿司」(1900円)という手頃な値段。目利きの目にかなった旬のネタといい、この値段といい、ここでしか飲めないその名も「江戸松」という純米酒もありで、こだわりと心意気が伝わります。映画の森田芳光監督も15年ほど前から函館に来ると必ず食べに来てくれるそう。

営業時間は午前11時30分〜午後9時30分。毎月第2、3、4水曜日定休。

●谷地頭町25-19
Tel:23-0305

窯蔵

窯蔵のオリジナルパン

谷地頭町電停前にある『窯蔵』は、無添加で体にやさしいパンが毎日50種類以上並ぶ。子供の頃からのパン好きが高じてパン職人になったという横山尚史さんは、お客さんに色々な種類のパンを食べてもらいたいと、パンはどれも小さく、価格も抑えている。豆乳を練り込んだ「豆乳ぼうや」(73円)や「抹茶豆パン」(63円)などが人気。ほかに惣菜パンやサンドイッチもおすすめ。水曜日限定の「全粒粉の食パン」(1斤231円)は、噛むほどに粉の味わいが広がる。お誕生日やパーティー用にキャラクター物や名前入りのパンの注文も受けており、注文は1000円以上で、2日前までの要予約。手作りの和風の店内も趣がある。

営業時間は午前8時15分〜午後7時30分。毎週日曜日、祝日定休。

●谷地頭町25-18
Tel:23-8330

ごんちゃんラーメン

ごんちゃんラーメンの塩ラーメン

函館八幡宮の参道にある『ごんちゃんラーメン』は化学調味料とラードを使わず、地場産の魚や野菜や肉を使ったスープが自慢。10種類以上の材料で煮込んだスープはあっさりして、しかも深い味わいが食べ終わった時の満足感となり、舌に残る。道産の食材にこだわって来函してから30年、ラーメンを作りはじめて20年経つという店主が家庭用に作っていたラーメンを店で出すようになったのは、肉店の営業で来た人にご馳走したのがきっかけなのだとか。そんな店主自慢の逸品が「塩ラーメン」(490円)で、値段の安さも人気の理由のひとつ。知る人ぞ知るというこの店は、市外から訪れる人も多く、テレビや雑誌の取材でも取り上げられている。

営業時間は午前11時〜午後4時。毎週火曜日定休。

●谷地頭25-20
Tel:22-1879

日弘食品株式会社の100円ソフト

日弘食品株式会社のソフトクリーム

『日弘食品株式会社』は、30年ほど前から海産物の問屋として地元はもとより、全国に函館の味を届けています。10年前からは店頭で珍味などのほか、「100円ソフト」の販売も開始。当初、ソフトクリームはバニラのみでしたが、様々な人の要望に応え、現在はミックスとモカも販売。観光シーズンには観光客も数多く立ち寄りますが、温泉帰りに毎日足を運んでくれる人や近所の小学生などのために料金は値上げせず、100円のままなのだそう。人気はバニラとモカで、モカは子供が食べやすいよう苦みが控えめ。そのほか、チョコ、キウイ、イチゴサンデー(各130円)もオススメ。

営業時間は午前10時〜午後5時。毎月2回、火曜日が定休。

●谷地頭町32-3
Tel:22-6513