函館山散策ガイド

2009-05-29 vol.421

函館山登山は小学生にもオススメ!千畳敷や砲台跡を散策しよう

初夏の爽やかな風を体中で感じながら、函館山の登山を楽しみませんか。今回は本紙・青山記者が北海道遺産「函館山と砲台跡」の散策を体験しました。登山は全くの素人ということで、函館山ふれあいセンターのボランティアガイド・村本ゆり子さんにお願いして歴史と自然の宝庫・函館山をたっぷりと楽しんでみました。

函館山登山は小学生にもオススメ!千畳敷や砲台跡を散策しよう

【北海道遺産・本紙記者が登山体験取材】歴史と自然の宝庫、散策のすすめ 函館山と砲台跡へ Go!

函館山の登山道

函館山について

参考資料/函館市発行『Mt.HAKODATE トレッキングガイド』
函館市発行『Mt.HAKODATE 歴史散策ガイド』

函館山の歴史

寛政12年(1800年)、伊能忠敬は日本初の実測地図を作成するため、蝦夷地を訪れ実測を行いました。その起点が函館山でした。
明治31年(1898年)、日露戦争を想定しておよそ4年間、函館山に5つの砲台が建設されました。この函館要塞は、明治32年(1899年)から昭和21年(1946年)までのおよそ47年間、要塞地帯法により一般人の立ち入りが禁止されました。結果的に一般人が長年入山しなかったことで、手付かずの美しい自然が保たれたといわれています。

函館山の自然

豊かな自然と触れ合うことができる函館山。スギ人工林では樹齢200年の大木を見ることができます。さらに、四季を通じて植物や野鳥が観察できることもよく知られており、旧登山道には野鳥観察小屋が設置されています。

函館山のあれこれ

函館山の標高は約334m。その形が、まるで牛が寝ているような姿をしていることから、「臥牛山」(がぎゅうざん)とも呼ばれています。函館山には主に11の登山コースがあり、それぞれの趣きを楽しもうという登山者が連日訪れています。山の麓には『函館山ふれあいセンター』があり、コース案内などの情報提供を行っているほか、ボランティアガイド利用の問い合わせなどにも対応しています。平成13年には、「函館山と砲台跡」として北海道遺産に選定されました。自然の宝庫として、また、函館夜景の眺望スポットとして、地元市民に愛されている山といえましょう。

函館山ふれあいセンター

函館山ふれあいセンター

散策コースの案内などの情報提供を行っているほか、函館山に初めて登る人などを対象にボランティアガイドの手配などを行っています。各種の地図、資料を入手することもできます。
4〜11月/月・火・祝休館 12〜3月/土・日・祝休館
12月31日〜1月5日/休館

函館山に関する
お問い合わせ
Tel:22-6799

函館山旧登山道の地図 この地図はイメージですので、実際に登山する場合は、「函館山ふれあいセンター」から登山用の地図、資料などを入手して下さい。登山初心者の方、函館山登山が初めての方などは、安全のためにボランティアガイドと一緒に登山するか、「函館山ふれあいセンター」のアドバイスを受けることをおすすめします。

函館山の登山コースは主に11コース。今回は、比較的ラクに登ることができる「旧登山道コース」(つつじ山コース)を、およそ2時間かけて登ってみました。

【函館山と砲台跡へ Go!】本紙記者が登山体験取材

函館山に登ろうとしている青山記者と函館山ふれあいセンターのボランティアガイドの村本ゆり子さん 本紙・青山記者と函館山ふれあいセンターのボランティアガイド・村本ゆり子さん

体験取材を行ったのは4月下旬。少しずつ緑が見られるようになりましたが、緑が増えて美しくなるのは6月頃とのことでした。今回は函館山の散策コースの中でも代表的といわれる「旧登山道コース」(つつじ山コース)約1640mを、2時間ほどかけて散策しました。「小学生の遠足コースにもなっていますから安心して下さい」とは、ボランティアガイドの村本ゆり子さん。安全に関する情報はもとより、植物や野鳥などのさまざまな知識を解説して下さるので、とても頼もしい存在なのがボランティアガイドの方々。ガイドの方と登山するのには事前予約確認がおすすめで、原則として午前10時以降の登山となるそうです。

取材協力/函館山ふれあいセンター
     財団法人函館市住宅都市施設公社

青函連絡船海難者の慰霊碑

登山道入口横には、青函連絡船海難者の慰霊碑があります。

函館山の散策道

冒険心をくすぐるような散策道。なんだかアドベンチャー映画のワンシーンを体験しているようです。

函館山散策道を歩く青山編集長と村本ゆり子さん

函館山散策道を歩く青山編集長と村本ゆり子さんの後ろ姿

緑の香りを感じながらの登山は爽やかな気分です。いい運動になりますね…。ボランティアガイドの村本さんは、もともとアウトドア系にはあまり興味がなかったそうですが、退職後、何かボランティア活動がしたいと思っていた時に、函館山自然観察指導のボランティアガイドという仕事と出会ったそうです。「登山をするようになってからは、やはり健康的になりましたね」と村本さん。体力あります、さすが!! 登山中、何人もの登山者とすれ違います。すれ違う時に必ず「おはようございます」「こんにちは」と声をかけあうのが登山での大切なコミュニケーションですね。たくさんの方が、元気に登っていました。皆さんホントに爽やかな笑顔でした。

散策道にいたリス

途中、リスを発見!! チョ〜感動です。小動物との出会いも、登山の楽しみのひとつですね。それにしても、ナイスショット!!

散策道のベンチで休憩している青山編集長と村本ゆり子さん

ちょっと休憩。こうして時々休憩して、十分な水分を補給しながら登山するようにしましょう。

函館山の3合目と4合目の間にある野鳥観察小屋

3合目と4合目の間には野鳥観察小屋と野鳥観察壁があります。なんか建物を見ただけで感激…。

函館山山頂と千畳敷の分かれ道にいる青山編集長と村本ゆり子さん

ようやく5合目に到達。ほかのコースへの分岐点があるので、慣れてきたら自分の好みに合わせてコースを組み合わせて登山するのも面白そうです。

函館山7合目を登っている青山編集長と村本ゆり子さん

7合目。街並が下に見えてきて、ああ、登ってる〜って感じです。達成感がありますねぇ。

函館山にある御殿山第二砲台跡

そしていよいよ、目的地の御殿山第二砲台跡へ…。函館山8合目付近のつつじ山駐車場の奥にあります。何か、タイムスリップしたような感じ。明治31年からおよそ4年の歳月をかけて造られたものだそう。立ち入り禁止の所もあるので、見学の際には十分注意が必要です。

函館山山頂千畳敷側にある展望台にある

さらに上へと進むと、函館の市街地を見渡す展望台があります。

函館山山頂千畳敷側展望台から見た函館の街並み

「今日は残念ながら、ちょっと曇っていますねぇ。もっときれいに見える日もあるんですが…」と村本さん。いえいえ、十分素敵な景色です。とにかくこの達成感が何ともいえません。皆さんもぜひ、トライしてみてはいかが…。