大掃除の簡単時短テクニック

2003-12-26 vol.291

大掃除のコツ!面倒な箇所も30分以内で綺麗にする方法

いよいよ今年も残すところあとわずかです。来るべき来年に向けて、何かやり残した事はありませんか?  大掃除がこれから…という人が多いハズ。  毎年年末に各家庭で行われる大掃除のルーツは、神事である「すす払い」にあります。古来、新年の安泰と五穀豊穣を祈って、神様をお迎えするために家中を掃き浄める行事がすす払いでした。

大掃除のコツ!面倒な箇所も30分以内で綺麗にする方法

【今すぐにはじめられる】我が家の大掃除大作戦

1箇所30分以内で大掃除を終わらせられる家の中のポイント

江戸時代には12月13日をお正月行事の事始めの日として、神棚や仏壇の掃除を行い、家の中のそのほかの場所を掃除するのはそれ以降に行っていました。それが年末の大掃除として定着していったわけです。昔の人にとっては本来、大掃除とは単に掃除に“大”がつくだけのものではなく、新しい年の幸福を願う行事だったのです。そういう意味から考えれば、21世紀を生きる私達現代人も、日常生活の基盤である自宅を家族そろって綺麗にして、新しい年の幸福を願うという姿勢はとても大切なのかも知れませんね——。
とはいえ、何かと忙しい年末のこの時期に、普段はあまり手をかけない場所を念入りに掃除するというのはなかなか大変なものです。そこで今回は、一般家庭の清掃に関して知識が豊富な人達のアドバイスを受けながら、1箇所につき30分以内で完了する掃除のコツにスポットを当てました。頑固な汚れを落とすために、専用の洗剤などが多数出回っている昨今ですが、今回は特に、身の周りにある身近な何かを使って気軽にできる掃除のウラ技に着目してみました。「なるほど!」と思えるような意外なテクニックを、ちょっとした時間でできるとなれば、憂鬱なハズの大掃除もちょっとは楽しくなるのでは…。そうすれば、お子さん達やご主人と一緒に、楽しく“我が家の大掃除”に取り組むことができるのではないでしょうか…。
もうすぐお正月。新年を気持ちよく迎えるために、さっそく皆様のご家庭でも、カンタンにはじめられる大掃除大作戦をスタートさせましょう。

頑固な汚れは重曹とアルコールで手荒れなし

換気扇&ガスレンジ

ガスレンジをトイレットペーパーで拭いてる女性

換気扇の油でドロドロした汚れは、紙やへらで大まかにふき取り、重曹をふりかけて手でこすります。重曹が油汚れを包み込み、面白いようにポロポロ落ちてきます。
重曹を足しながらサラサラになるまでこすり、後はそのままに…。その時にできたアルカリの膜が次の汚れを落としやすくするので、水洗いも必要ありません。素手でやっても手荒れしないのがうれしい点。
ガスレンジはアルコールを吹きかけ、トイレットペーパーでふき取ります。油膜がスッキリ取れて、から拭きの必要がありません。

新聞雑巾でらくらく掃除

玄関

玄関を濡れた新聞紙で掃除している女性

家の第一印象は玄関で決まります。きれいな玄関は明るくなって気持ちのよいものです。靴についてくる土やほこりは、新聞紙を濡らした新聞雑巾で汚れをふき取りましょう。
水を入れたバケツに新聞を1枚ずつ丸めて入れ、必要な分を取り出してふき、汚れたら捨てます。出てくる新聞クズを最後にはいてスッキリと…。玄関ドアは雨風やドロはねがつきやすいところ。かたく絞った雑巾でふいたあと、からふきします。新聞雑巾はガラスふきにも威力を発揮。ふいた後はそのままゴミ箱へ——。

こびりついた汚れはアルコールで除菌もかねて

照明器具&スイッチ

照明の傘をアルコールで拭いている女性

照明器具の汚れは、ほこりと脂が一緒になっています。アルコールでふくことで、べとつきもさっぱり。きれいにすると明るさもアップします。
照明器具のスイッチ部分は知らないうちに手あかで汚れがち。アルコールでふき取りましょう。細かいところは綿棒にアルコールを含ませてふくと簡単です。電話やインターフォンは頻繁に使うので、汚れがたまります。アルコールで除菌もかねて清潔にしましょう。細かい部分はやはり綿棒にアルコールを含ませてふき取りましょう。

シンク内は下水を汚さない重曹で

台所

第心のシンクを重曹を使って綺麗にしている女性

毎日使う台所。生ゴミ用の三角コーナーを置くシンクの隅など、目につきにくい場所はとかく汚れがたまりやすいものです。弱アルカリの重曹は研磨作用があり油脂など酸性の汚れに有効。直接振りかけてスポンジでこすります。
蛇口の白っぽいくすみには酢を布巾に含ませてこすってみます。酢は漂白作用があり雑菌の繁殖を遅らせ、カビの予防にもなります。
そのほかにもレモン、大根の皮や切れ端、使ったあとの紅茶のティーバックなどもシンクみがきに活躍します。いずれもその後充分流水ですすいでおきます。

泡の力で排水パイプもピカピカ

風呂&洗面所

お風呂の排水口部分を重曹と酢を使って、歯ブラシでこすっている女性

浴室には水アカや皮脂、石鹸カスなどの汚れが付着していますが、小さいお子さんがいる場合など、強い洗剤の使用は心配です。
そこで重曹の出番。浴槽や床、壁、桶もスポンジに含ませてこすります。浴室や洗面所の排水パイプには黒ずんだカビが付着しやすいもの。重曹1/2カップをふりかけそこへ酢を1カップ注ぎます。ぶくぶくと白い泡が立ちますが、この泡が汚れを落とす働きをします。
泡の正体は二酸化炭素で無害。しばらくしてから熱いお湯をたっぷり注ぐと、汚れと匂いが流し落とされピカピカになります。

重曹とアルコールで除菌もOK

トイレ

トイレの便器のフチ裏を重曹と歯ブラシで掃除している女性

便器にこびりついた汚れは、重曹を振りかけ古い歯ブラシなどでこすり落とします。1度で落ちなければ根気よく…。ヤスリなどで便器をこすると傷がつき、かえって汚れやすくなります。
環境にやさしいものを試してみてどうしても落ちない時は、強力な洗剤などを使うようにしましょう。また、重曹には消臭効果もあるので容器等に入れてトイレに置いておき、その都度、掃除に使うと一石二鳥。
床はアルコールをスプレーしてふくと除菌もできます。ふき取りにはトイレットペーパーを利用すると後始末が楽です。

ストッキングの静電気でほこり取り

天井&壁

天井をいらなくなったストッキングで掃除している女性

天井や壁の掃除には、廃物利用のストッキングホウキを使いましょう。
まず、ホウキに古いストッキングをすっぽりかぶせ、両足の部分もふんわりとしばって用意します。ストッキングには静電気効果でほこりを吸着する性質があるので、洗剤を使わなくても大丈夫。
タンスの隙間、テレビの後ろ、足付き家具の下の部分など、普段目の届かない場所のほこりを取るのにも活躍します。充分汚れを吸ったストッキングは不燃ゴミへ——。小さな子供やペットのいるお宅では、特に環境にやさしいものを使いたいものです。

【取材協力】函館友の会

函館友の会のメンバー

今回、青いぽすと掃除取材班が提唱する環境にやさしい身近なクリーニングへのコメントと掃除全般に対してのアドバイスを、家庭における生活技術や経済などについて実践と勉強をしている女性のグループ『函館友の会』にお願いしました。

安全に使える重曹や酢、アルコールスプレーなどの掃除グッズ

安全なものを使うクリーニングは環境のためにも大切です。また掃除の基本は汚れをためないこと。ガスレンジは使ってすぐ、お風呂はあがった後など、熱いうちの汚れは落ちやすく、余分な力もいりません。重曹大1に水250ccを加えた重曹水をスプレーに入れて日常使うと、汚れがさっと落ちるのでおすすめです。軽い汚れはお湯で、頑固なものは重曹で、というように段階的に落としましょう。