函館の熱帯植物園

2005-02-11 vol.318

函館熱帯植物園で温泉に入る猿や南国フルーツを見よう!

最近、足を運んだ人ならお気づきかも知れない…。市内湯川3丁目・湯の川温泉街の一角にある『市営熱帯植物園』が少しずつではあるが、変わろうとしていることを——。  バナナやパイナップルなど、同園で実った南国のフルーツや木の実を市民に提供する「収穫祭」やクリスマス時期にちなんだ特別展示などといった企画展の実施をはじめ、トロピカルな熱帯海水魚の展示、ホタルが生息する小川の原風景の再現など、そこには動植物を心から愛する人達の思いや遊び心、そして1度訪れた人に「また来てみたい」と思わせる創意工夫が、少しずつではあるが増えてきている。

函館熱帯植物園で温泉に入る猿や南国フルーツを見よう!

平成15年4月から同園の企画・運営を、NPO法人『函館エコロジークラブ』が担当。市営施設運営のアイデアを民間の団体に委ねるといった、この街では画期的な取り組みにより、函館市の貴重な財産のひとつが着実に元気を取り戻しつつある。

熱帯植物園で記念撮影をしている家族

「植物や昆虫、自然環境など、函館エコロジークラブは様々な分野に精通した人達で組織されている。イベント内容や維持管理の面において、素晴らしい発想を得ることができた」とは市水道局管理部温泉課の菊谷健悦課長。函館エコロジークラブの坂井正治さんは「今年の夏にはたくさんのホタルが、皆さんを出迎えてくれるかも知れない」とPRする。いわゆる“ハコモノ行政”脱却のプロトタイプとして、市営熱帯植物園という取り組みが注目される日も、そう遠くないのかも知れない。

【本紙読者熱烈体験】思い立ったらジャングル探検!熱帯植物園に行こう!

取材協力/函館市営熱帯植物園

今回、熱帯植物園の見学に参加していただいたのは、本紙の熱心な読者であるライト裕子さんとお嬢さんのライト胡凛ムーンちゃん、白川陽子さんの3人。函館エコロジークラブの坂井正治さんのご案内で、楽しいジャングル探検のはじまり、はじまり…。

熱帯植物園

同園では約700種6000本の珍しい熱帯植物が展示。その迫力には圧倒されます。

植物園にある沢山の熱帯植物

さて、3人を最初に迎えてくれたのは、色鮮やかな海水魚達が泳ぐ大型水槽。思わずニッコリの胡凛ムーンちゃん!

熱帯所を見て笑っている赤ちゃん

次はアマゾンの暴れ者・ピラニアの水槽へ。ちょっと無気味ですがピラニアも美しい鑑賞魚。胡凛ムーンちゃんは大喜びデス。

熱帯植物園にあるピラニアの水槽

キダチチョウセンアサガオという植物を見学。高い所から綺麗な花が降ってくるようです。

キダチチョウセンアサガオ

さあ、いよいよジャングルへ!

熱帯植物園のジャングル順路

ジャングルではたくさんの綺麗な花を発見できます。

胡凛ムーンちゃんがパパイヤを発見! 「これ、食べられるの?」
よ〜く見ると綺麗なインコが放し飼いされています。

熱帯植物園になっている大きいなパパイヤの実

熱帯植物園にいるインコ

そんなバナナ…(ちょっと古い?)。
坂井さんが捕まえてくれたインコが飛んで、ちょっとびっくり。

バナナの大きな木の下で記念撮影している親子

熱帯植物園にいるインコにビックリしている赤ちゃん

園内にはかわいいリスザルもいます。今回は取材ということで、胡凛ムーンちゃんのために特別に、坂井さんがエサをあげてくれました。

熱帯植物園にいる猿

綺麗なハイビスカスを見つけた胡凛ムーンちゃん。やっぱり女の子、お花は大好きなんだネ。

ハイビスカスを触ってる赤ちゃん

色々な色の花を触っている赤ちゃん

珍しくて綺麗な花が、とにかくいっぱいあります。大人も子供も一緒に楽しめて心も癒されるのが熱帯植物園の最大の魅力であることを実感。

珍しい形の花

さ〜て、これがウワサの「ホタルのせせらぎ」。今年の夏頃には、きっとたくさんのホタルを見ることができるでしょう…とは坂井さん。白川陽子さんは、「絶対見た〜い!」と大感激でした。

ホタルのせせらぎ

ウーパールーパーの水槽を見て、「わ〜、大きい」と感激の様子。

水槽に入っているウーパールーパーを見ている赤ちゃん

大きなサボテンの木

沢山の種類のサボテン

最後にサボテンのある一角を見学。ライト裕子さんは「まるでアリゾナを思わせるような雰囲気ですね」との感想。趣味は登山とあって、植物を見るのは大好きなのだそうです。3人とも、今日はお疲れ様でした。ありがとうございました!

【函館市営熱帯植物園】ご案内役紹介

NPO法人 函館エコロジークラブ 熱帯植物園担当 坂井 正治さん

函館エコロジークラブ熱帯植物園担当坂井正治さん

市営熱帯植物園隣接の函館エコロジークラブ事務所にて、ホタルの幼虫の育成などを行っている。頼れるスペシャリスト。

函館エコロジークラブでは、市内在住の小中学生を対象に、ホタルの世話をしながら生態を学ぶ教育ボランティア『ホタルサポート隊』の参加者を募集しています。詳しいことは、坂井さん
Tel:090-1898-7888
まで。

【まだまだ知りたい】市営熱帯植物園

熱帯植物園のあゆみ

函館市営熱帯植物園の園内マップ

市民の憩いの場として、また、湯の川温泉の観光資源強化の一環として、温泉熱を利用した熱帯植物園が完成したのは昭和45年6月。同年7月20日に開園しました。高さ17mの中央ドームを中心に6翼状棟を付した園内には当初、熱帯性植物約460種3000本、フラミンゴ、オウム、ワニ、熱帯性海水魚が展示されていました。翌年から、現在も同園の名物のひとつとして知られるサル山温泉が前庭に作られ、昭和50年度にはペンギン5羽を飼育。同53年度にシャムワニ3頭を飼育、54年度には前庭にカワウソ池、ペンギン池、バッテリーカーコースを築造するなど、飼育種の増加や改造工事などを行い、市民の身近な見学スポットとして親しまれてきました。
平成6年度には水の広場を設置し、よりアクティブな施設として注目されるようになりましたが、同園が持つ自然環境への教育的要素や、地元市民への新たな話題作りなどに着目し、平成15年度より、NPO法人・函館エコロジークラブに維持・管理の一部を委託。園内整備をはじめイベント広場とホタルのせせらぎの造成など、さらなる取り組みにより最近、話題を呼んでいます。
平成15年度末現在の熱帯植物の植栽樹数は約700種6000本、飼育動物数は3種123頭。

函館市営熱帯植物園周辺地図

開園時間   4〜10月    午前9時30分〜午後6時
11〜3月    午前9時30分〜午後4時30分

休園日       12月29日〜1月1日

交通案内   電車/湯の川終点下車徒歩15分
函館バス/熱帯植物園前
マイカー/駐車場完備

入場料       大人/305円 小中学生/100円

連絡先
Tel:57-7833