函館の美味しいご飯のお供
2014-10-17 vol.550
ご飯の美味しい炊き方・新米にベストな函館のなまら旨い惣菜
北海道にも新米の季節がやってきました。噛むほどに口の中に甘みが広がる新米の美味しさは格別。日本人に生まれて良かった…と感じる、至福のひと時ではないでしょうか。さて今回は、お米にまつわるあれこれの特別企画。道南米の美味しさの秘密から新米の美味しい炊き方、そして炊きたてのご飯にぴったりのおかずに注目してみました。
道南米の美味しさの秘密とは
道南農業試験場
北海道米は今でこそ高い評価を得ていますが、以前は低評価が長く続いていました。道南農業試験場の宗形さんは「元来、稲は南方の植物で、寒冷地で育つものではなかったんです」と話します。
道南農業試験場では、100年以上にわたり米の品種改良の研究を続け、JALの旅客機のファーストクラスにも採用されるほど高い評価を得た「ふっくりんこ」を育成しました。
「これまでの蓄積がふっくりんこにつながったと思います。米は1品種が誕生するまで10年以上の時間がかかる。完成しても味や栽培特性など多くの検証が行われ、一般の農家さんが栽培して市場に流通するのは、その中のほんの一部です」(宗形さん)。
巴まさり、しまひかり、など今まで道南で育成開発してきた積み重ねが「ふっくりんこ」を生み出しました。
6~7月はオホーツク高気圧の影響で山背(やませ)が吹くことから日照時間が短くなるほか、海に囲まれた渡島半島は夏の気温が上がりにくいなど、道南の気候は必ずしも稲の育成に適していませんが、秋の天候は比較的安定し収穫を後倒しできることから「育成期間の長い品種の栽培が向いている」とのことなので、道南での稲作は道内他地域とは少し違います。
様々な品種の米を食べる宗形さんに、新米のオススメの食べ方はと聞くと「炊きたてのご飯にイクラっていうのが好きですね」とのこと。新米に新物のイクラ。やっぱり旬を楽しむのが1番のようです。
道南農業試験場
明治42年に渡島農事試験場として開設。現在は12ヘクタールの圃場で水稲や園芸の作物を試験栽培し、「ふっくりんこ」などの米のほか、道内シェア1位の苺「けんたろう」などを発信。現在はリーキのほか道南で栽培するサツマイモの研究なども行われています。
新米の美味しい炊き方
米の名久井
新米は水分が多いので、いつもより水の量を控えめに炊くのがポイントです。炊飯器の目盛の上か下かでも炊き上がりは変わります。計量した米に水を加えたら、米粒にぬか臭い水が浸透しないように最初の白く濁った水はすぐに捨てます。
研ぐ時は米が少量の場合、力を入れ過ぎると〝割れ〟や〝ひび〟の原因になるので注意してください。研いだ米は炊く前にしっかりと水に浸すこと。浸水時間は最低でも夏場は30分、冬は1時間が目安です。
炊きあがったらしゃもじでほぐしておきましょう。余ったご飯は炊飯器で保温しておくよりも、ラップで包んで冷凍し、食べる時に電子レンジで温めたほうが美味しくいただけます。
お米は湿気にも乾燥にも弱いデリケートな食材です。野菜と同じ生鮮食品なので、新米を美味しく食べるなら保存方法にも注意したいところ。保管に適しているのは涼しく風通しの良い場所で、冷蔵庫の野菜室が理想的です。
密閉できるジッパー付きの食品用保存袋などに入れ、空気をしっかり抜いて保存するのがおすすめです。一般的に売られているお米の袋には空気穴が開いているので、買ってきた袋のまま開けた口を輪ゴムなどで無造作に閉じ、シンク下などに置いておくのは最も避けたい保管方法です。大量買いせず少量ずつ購入するのもコツ。
米の名久井
「お米マイスター」のいる店頭精米の店。
午前8時30分~午後6時30分
毎週日曜日・祝日定休
●松陰町28-23
Tel:51-3097
風味豊かな海苔を卸値で提供
内田のり店
新川町・高砂通り沿いにある『内田商店』は、大正13年創業の海苔と乾物のお店。店頭販売も行っており、全て卸値で販売しています。また、産地によって異なる海苔の味や香りなどの違いを教えてもらえるので、好みの海苔を選ぶことができます。新米と味わいたい海苔といえば、冬の一時のみ採れる貴重な逸品の岩海苔。現在は江差産とせたな産の岩海苔が残りわずかとなっています(4000円前後)。磯の香り豊かな岩海苔を、ぜひお試しください。焼き海苔のおすすめは、はぎれがよく甘味がある有明産(350円〜)と香り高い千葉産(240円〜)。贈答用もあります。
営業時間は午前8時半〜午後5時半。毎週日曜日と祝日定休。駐車場有(店舗裏)。
●新川町4-5
Tel:22-0281
美味しくて体に良い平飼い鶏の有機卵
ついき農園
いまや全国各地から注文がある七飯町の『ついき農園』の有機卵。約500羽の鶏が広い敷地の土の上で平飼いされており、ストレスの少ない鶏が産んだ自然卵は美味しくて健康に良く、「卵かけご飯」にすれば白いご飯にもぴったりです。「栄養ある卵を自分の子供に食べさせてあげたい」という思いから、農園を営むご夫婦が今から26年ほど前にはじめたのが、この平飼い鶏の有機卵の生産。今ではその評判が広がり、もう20年近く買い続けている常連客もいるのだとか…。手間ひまかけて作られた逸品をぜひ、新米のお供にどうぞ。有機卵は1パック450円で農園内で直売しています。
販売時間は午前8時〜午後6時。無休。鮮やかな緑色の建物が目印の素敵な農園です。
●七飯町字仁山425-1
Tel:65-5249
秘伝の「いくらの醤油漬け」
料亭 冨茂登
昭和36年に創業したおでんの店が前身の名店『冨茂登』。この店で20年以上前から販売している「いくらの醤油漬け」(1瓶250g、3780円)が人気を集めている。きっかけは都心からの大人数の旅行ツアーの予約があった時のこと。函館人には慣れ親しまれたいくらの味を道外の人にも味わってもらいたいと、ツアーの1年前から瓶詰め作りを開始し、試行錯誤の上、秘伝のタレと独自の瓶詰め方法により保存法と味にこだわった逸品が完成した。発売以来、定期的に注文するファンも多いそう。「いくらの醤油漬け」は店内で販売。
事前に電話またはFAX (左記)で注文し、店頭で受け取る。電話注文は毎日午前10時〜午後4時(不定休)。
●宝来町9-7
Tel:26-3456
FAX 22-5402
珍しい! 生珍味の量り売り
海鮮問屋 渡邊商店
イカの塩辛や松前漬けなど計り売りしている『海鮮問屋 渡邊商店』は、函館ツインタワー1階の「北海道四季彩館函館駅前店」にあります。20種類ほどもある品ぞろえの中にはおなじみの商品からちょっと珍しいものまであり、どれも200g、300g、500gの3種類の容器から選んで購入できるのがポイント。なかでも200gずつ何種類か購入するのが人気なのだとか。ご飯のおかずはもちろん、お酒にもピッタリなこれらは贈り物にも喜ばれること間違いなし。そのほか、珍味や乾物なども豊富にそろっています。全て地方発送も可能(別途送料)。
営業時間は午前8時~午後9時30分(11月からは午後8時30分まで)。年中無休。
●若松町14-10
Tel:090-8372-0889
漬物の美味しさ再発見!
中村商店
中島廉売仲通りにある『中一中村商店』は、創業50年の漬物専門店。これから寒くなる頃にかけては、沢庵をはじめ鰊漬け、赤かぶの糠漬けなど、漬物が美味しく種類も豊富になる季節。手間隙かけた手作りならではのやさしい味で、自然な美味しさが活きています。道南ならではの「たまふくらの豆漬け」(180g300円)もイチオシ。量り売りで欲しい分だけ買うことができたり、色々な話を聞くことができるのが廉売ならではの嬉しいところ。また、「白菜の朝鮮漬け」(100g100円)にマヨネーズを付け、海苔を乗せたご飯を包んで食べるのが同店のまかないご飯だそうですが、これが驚きの美味しさ。
営業時間は午前10時半~午後6時。毎週日曜日定休。
●中島町21-10
Tel:51-7378
新米を手軽においしく
だるま食品本舗
流通センターにある『だるま食品本舗』では、函館産の「たまふくら」、今金産の「鶴の子大豆」、乙部産の「白乙女大豆」など、地元で採れた大豆を使った納豆などを製造しています。
同社の工藤社長が「1番バランスがいいかも」と自信を持って勧めるのが「鶴の子大豆納豆」。大粒の今金産鶴の子大豆を使った納豆で、しっかりした豆の味わいと食感があり、ご飯にかけるのはもちろん、それ単体でも十分楽しめます。
そして、筆者が個人的にオススメするのが同社の「中つぶ納豆」。割りと地味な存在ではありますが、豆の大きさ、炊き加減、味、どれもレベルが高く費用対効果の高い一品です。朝食の新米をさらに美味しくする納豆をぜひ。
●西桔梗町589-216
Tel:49-3569