青いぽすと

酢の効果

2004-07-30 vol.305

酢の効果は飲む・料理で実感できる!オススメの酢漬けとレシピ

酢、それは偶然の産物——。古代を生きた人々は、神に捧げた果実が天然の酵母菌で発酵したことで酒を得たといわれているが、さらにその酒が酢酸菌により発酵し、酢が生まれた。かのクレオパトラが酢を飲んでいたという話があるが、それが本当ならば、人類の歴史の中で、酢は古代エジプト時代から存在していたということになる。

我が国における酢の歴史を繙くと、弥生時代頃に中国から米酢の製法が伝来したのが、そのはじまりといわれている。今でも酢のことを敬意を表して“お酢”と呼ぶ人は多いが、実際、昔は酢は貴重品として一部の上流社会の薬や高級調味料として扱われてきた。酢が比較的一般の調味料になったのは江戸時代からで、味噌や醤油とともに普及し、特に酒粕から作った粕酢が、お寿司によく使われるようになったという。

ところで、酢が体にいいというのは昔からよく知られた話だが、特に有名なのが、体の酸性化を防ぐという効果。人間の体とは弱アルカリ性に保たれている時が最も健康であるが、酸性化物質の摂りすぎにより体が酸性に傾くと不健康になってしまう。「疲れやすい」「筋肉が硬くなり、肩こりなどがひどい」「風邪をひきやすい(治りにくい)」「便秘になりやすい」といった状態は体が酸性化し、人間が本来持っている自然治癒力が低下している証拠。食べ物の多様化などとともに弱アルカリ性の体を保つことが難しい昨今だからこそ、酢という健康的な調味料を見直すべきではないだろうか。さらに、酢には食品を保存殺菌するという効果もあり、特に夏場こそ、家庭のキッチンで酢を上手に利用したいところだ。

さて、今回の特集ではズバリ“酢”にスポットをあて、その優れた効用や酢の種類、さらにはその賢い利用法、酢を使ったお手軽料理などを紹介してみた。夏バテ気味の人は特に、酢を有効利用し、その酸味を感じて心も体もリフレッシュさせ、この夏場を乗り切っては…。また、美容に関心がある人や、スポーツをしている人も必見。酢…それはきっと神様がくれた偶然の健康食品。日常生活でもっと酢を身近なものにして、ぜひこの夏からヘルシーライフを!

目次

【健康的調味料】酢の効用

食欲増進作用

暑い季節には消化器の働きが弱って、食欲がなくなることがありますが、そんな時に活躍するのが酢。酢には胃を刺激してその働きを促進する作用があります。

防腐、抗菌作用

酢の持つ防腐作用を利用した酢漬けは、食品の長期保存に適しています。また、切りかけのハムやチーズを酢で拭くと長持ちします。

疲労回復

酢には、肩凝りや腰痛の原因物質であるといわれる乳酸を分解する働きがあるので、肩凝りや腰痛予防、疲労の回復にも効果があります。

料理の脇役に

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その他

酢の種類

米酢

お米から作られた酢で、まろやかな酸味と旨味があり、お米だけで作ったものは純米酢と呼ばれる。お寿司や酢の物には欠かせないもので、洋風、中華料理にもよく合う。

黒酢

陶製の壺に入れて長時間かけてじっくり醗酵させたもので、普通の酢に比べて格段に豊富なアミノ酸やミネラルを含むということで、今健康食品として注目されている。

リンゴ酢

リンゴから作られた酢で、まろやかな甘みと酸味のバランスがよく、どんな料理にも向いている。はちみつでわってドリンク用に、またサラダドレッシングにも最適。

味付けぽん酢

ぽん酢は柑橘類の果汁にだしや醤油を加えたもので、さわやかな香りとさっぱりした酸味が料理を引き立てる。焼き魚にかけたり鍋物のタレに最適。また、生野菜や和え物にも…。

黒酢ドリンク

黒酢にハチミツや果物の果汁を加えて飲みやすくしたもの。アミノ酸たっぷりの黒酢を手軽に取り入れられるので人気がある。 紙パック入で携帯にも便利。

バルサミコ酢

イタリアのモデナとレッジオで作られる伝統的な熟成ワインビネガーで、独特の香りと酸味、まろやかな甘みが特徴。ドレッシングやソースにするほか、そのまま果物にかけてもいい。

酢を使ったおすすめのお手軽料理

チカのエスカベッシュ

チカの唐揚げを熱いうちに、野菜をたっぷり入れたドレッシングに漬け込みます。出来たても美味しいですが、冷蔵庫で保存が効くので、作り置きしておいてもいいですね。

材料

作り方

  1. 酢に塩小1をとかし、サラダ油、コショウを入れてよく混ぜる。スライ スした野菜を漬け込む。
  2. チカは頭と内臓をとって塩・コショウし、粉をつけて170度でカラッと 揚げる。
  3. 揚げたてを(1)に漬け込む。30分ぐらいおいた頃が食べ頃。

タケノコとゴボウと鶏肉の煮物

タケノコ、ゴボウ、鶏肉の煮物にお酢を入れてみましょう。お酢は鶏肉の臭味を取り、タケノコ、ゴボウもやわらかくなります。

材料

作り方

  1. 一口大に切った鶏もも肉、タケノコと皮をむいたゴボウを乱切りに して、サラダ油で炒める。
  2. 調味料を加えて水気がなくなるまで煮る。彩りに茹でたきぬさやを 散らす。

キッチンで役立つ酢漬けマニュアル

ピクルス

酢1C、水1/2C、砂糖大2、塩小2を沸騰させて冷まし、唐辛子、粒胡椒、ローリエを加えて、野菜(胡瓜、カブ、セロリ、パプリカ)が、かぶるくらいに注ぐ。

黒豆酢

黒豆1Cを中火のフライパンで空炒りする。皮がはじけたら瓶に入れ酢1.5Cを注ぐ。豆が酢を吸って膨張するのでその度酢を足す。そのままでも、サラダに加えても可。

にんにく酢漬け

にんにく3玉を小片に分けて薄皮をはがし、瓶に入れて酢1Cを注ぐ。にんにくが青みを帯びてくる場合があるが、無害なので安心。ドレッシングやパスタソースに…。

らっきょう漬け

土付きらっきょう1kgは洗って薄皮をはがし上下を切り揃え乾燥させる。酢3C、水3/4C、砂糖200g、塩25gを煮溶かし、唐辛子2本を加え、らっきょうに注ぐ。

たまねぎ酢漬け

たまねぎ大1個を薄切りして瓶に入れ酢1C、水1/2C、砂糖1/4C、塩小1/2、ローリエ、粒胡椒を煮立てて冷ましたものを注ぎ入れる。刻んでドレッシングに…。

生姜酢漬け

生姜大1個は皮を剥いて薄切りにする。酢1/2C、水1/4C、砂糖1/4C、塩小1/2を沸騰させ、よく冷ましてから生姜に注ぐ。煮魚に加えたり、焼魚に添えて…。

夏バテ解消!脱、酸性化! 青いぽすと Vol.305