青いぽすと

函館山の登山コース種類

1998-05-15 vol.152

函館山登山コースの自然を知って散策登山に行きませんか?

函館市民に親しまれている函館山は、標高334メートル、周囲約6キ口。牛がねそベったようなその形から、別名「臥牛山」とも呼ばれます。函館山は世界の三大夜景の1つに数えられるほど、夜景の美しさで有名ですが、野生の動植物が多く、自然の豊かさという意味でも貴重な山なのです。

自然の宝庫、臥牛山があなたを待っています!

函館山に登ろう

その昔、函館山は要塞として軍の管理下におかれ、民間人の立ち入りはもとより、山を背景にした写真や写生まで禁止されていました。

第2次大戦が終わってやっと、山は市民に開放されましたが、皮肉なことに人々が足を踏み入れなかったおかげで、手付かずの自然が残されることにもなったのです。

調査によれば、600種以上の植物と、200種以上の野鳥がいると言われ、まさに自然の宝庫です。

今の時期なら、シラネアオイ、カタクリ、コブシ、それに、源義経との悲恋で有名な静御前にちなんだ名のヒトリシズカなど、春の花々が咲きにおっているはずです。

また、トビ、アカゲラ、ヒヨドリ、ヤマガラ、シジュウカラ等の鳥たちは、留鳥として、1年中その姿を見、さえずりを楽しむことができます。

山頂へはロープウェイや登山道路があり、車やバスも通っていますが、せっかくのめぐまれた自然を満喫するためにも、気候の良いこれからの時期、ぜひ1度歩いて登ってみたいもの。子ども連れでも気楽に登ることが出来るコースもあります。

函館山の山麓には、教会や、神社、外人墓地など観光スポットも多彩です。春の1日、家族連れでのんびり函館山の散策というのもいいのではないでしょうか。函館山は、約100万年前の誕生から今に至るまで、函館の歴史を見つめてきました。

古くは、人々の信仰の対象として観音様が祀られ、「やまかけ」といわれる参拝が行われていました。

伊能忠敬が全国の測量を始めたのも、この山の山頂からでしたし、イギリスの鳥類研究家・プラキストンのプラキストンラインはあまりにも有名です。

昭和20年の函館空襲の際には、惨禍を逃れた人々が山中にひそんだともいいます。

また、昭和40年代に函館山に周遊道路計画が持ちあがった際、山の自然を守ろうという市民の運動が盛り上がり、計画が中止されたという経過があります。

数々のできごとを見守ってきた、市民の共有財産函館山。その豊かな自然と歴史を、これからもわたしたち市民の手で守っていきたいものです。

函館山散策

函館山の歴史

函館山の誕生は100万年前の海底火山噴火までさかのぼります。噴火による噴石物が推積して大きな台地となり隆起、沈下、風化を繰り返して最後に残ったのが函館山です。噴石物などの残骸は津軽海峡に流れ砂州となり、それがたまってゆき、陸地とつながり今の函館市街地のもとができました。これが3000年前のことです。

松前藩時代になると入植者たちはニシン漁の燃料や造船用、暖房用に伐採を行い、そのため函館山はハゲ山同然になってしまいました。1799年(寛政11年)に蝦夷地(北海道)が幕府の直轄地となったとき、幕府は伐採法を定め、木を伐ったものは植林することを義務とし、植林しない場合は木1本につき20文を払わせることにしました。

明治20年頃には植林も盛んに行なわれ、松や杉、つるものなど90万本が植えられました。その後30年頃から、山では軍の要塞化工事が始まり32年には入山禁止に。それは第2次大戦の終戦まで続き、昭和23年にようやく一般市民に開放され、現在に至っています。

特徴

函館山の環境は北海道と本州の境界にあり、このため動植物が入り交り、植生が他に類を見ないくらいに複雑です。また、三方が海に囲まれているので島のような環境であり、野鳥にとっては楽園と言われています。山の周囲は9km、面積は326へクタールと山としては小さいのですが、この小さいところに、渡島半島に分布する植物の3分の1の植物があります。また、北海道全体でみると約2000種ある植物の3分の1の600種以上があり、植物の宝庫といえます。それに複雑な地形なので散策コースごとに植生環境が違います。このような環境は他の山と比較しても珍しいものです。

このような環境の中で他地域にさきがけてコジマエンレイソウが咲くので、これが登山愛好者の間では人気だとか。

また、動物はキタキツネ、シマリス、ニホンマムシ、アオダイショウ等が見られ、山周辺にはヒキガエルが見られます。この貴重な環境に対し、昭和37年には鳥獣保護区、39年には鳥獣保護区特別保護地区に指定されました。

散策案内

函館山は、その登り口に入った瞬間から真近に街があることが嘘のように静寂が広がっています。

散策コースは多く、ハイカーを楽しませてくれます。ここでは主要な散策コースを紹介しましょう。

初めての人は函館山ふれあいセンターに、ハイキングコースの地図など情報がいろいろあるのでこちらに寄ってから登ることをオススメします。

旧登山道コース(約1,600m)

旧登山道入り口からつつじ山駐車場までのコースで、第2次世界大戦まで函館山が軍の要塞であったときの軍用道路でした。また、この旧道一帯は山の水源で水元谷と呼ばれ、水を求めて山に棲む動物たちがやってきます。山道は樹齢200年以上といわれるスギ林に囲まれ、春はキタコブシやオオカメノキなどが見られます。6月には色鮮やかなツツジが目を楽しませてくれます。

観音コース(約1,250m)

船見町実行寺の境内奥から登るコース。道は林のなかを曲がりくねっていきます。ときおり林の合間から海が見えて眺めは良く、このコース沿いに観音様があります。

「観音森」といわれる森林地帯があり、静寂な世界が心を落ち着かせてくれます。終点はつつじ山駐車場。展望台のある御殿山はここからすぐ近くです。

七曲がり〜千畳敷コース(約3,320m)

このコースは、旧山道コースや観音コースに比べてややハードです。

出発点は立待岬から函館八幡宮へ向う自動車道路の途中にあります。いきなりつづら折りの道がはじまり、ハードな山登りの気分を満喫できます。汗をかきながら歩いていると、道にはオオバナノエンレイソウやスミレの群落が姿を見せます。そこからやがて眺望がひらけて、立待岬を見下ろすことができます。ここから千畳敷まではもう少し。

マナー

函館山は野鳥と植物の楽園。野鳥の生息には植物が必要です。これらの生態系を守るためには、山を荒らさないよう、マナーを守ることが大切です。

●タバコを吸う人は、携帯灰皿を持参しましょう。
●植物は採集できません。
●2輪車での登山はできません。
●車で登る人は歩行者に気を付けましょう。
●ゴミはすべて持ち帰りましょう。
●ジュースなど飲み残しは捨てないように。ハチが寄ってきて危険です。

また、山の独特の環境や、気候の変化も激しいので服装は長袖、長ズボンが良いようです。

協力 (財)函館市住宅都市施設公社 函館山ふれあいセンター

ひと口メモ

山に登ってみたいけれどよく分からないからという人には、こんなプランはどうでしょう。

函館山にとても詳しい函館山自然散策プラン専属ガイドがついて、野鳥や植物のことなどを解説してくれます。散策するコースもいろいろあるので楽しめそう。

函館山ロープウェイの函館山自然散策プランガイドが植物や野鳥について案内してくれます。
場所 函館山各散策コース
日時 10月末までの毎週日曜日と第2、第4土曜日、祝日
参加費 3000円(山頂レストランでの食事代、片道ロープウェイ代、保険料込み)(なお、どなたでも参加できますが小学生以下は保護者同伴のこと)
問い合わせ先 ネイチャーカンパニー Tel:27-4150