函館のリサイクルの取り組み

1998-05-29 vol.154

エネルギー問題解決は個人で取り組めるリサイクルから!

5月30日は「消費者の日」。消費者を保護し、その権利を正しく行使するために考えられた「消費者基本法」の制定にちなんで定められた日です。消費者の権利といえば代表的なのが、アメリカで提唱された「消費者の5つの権利」。これは、安全である権利、知る権利、選ぶ権利、意見を反映させる権利、それに消費者教育を受ける権利の5つからなっています。このことが、消費者運動などの意識の高まりにつながっていきました。

エネルギー問題解決は個人で取り組めるリサイクルから!

明るい未来を願って、エネルギーとか、地球環境の問題について真剣にはなしてみよう…

リサイクルを考える

地球

しかし、権利には当然義務も伴うもの、私たち消費者は、権利とともに、義務も積極的に学んでゆかなくではならないでしょう。

暮らしが豊かで便利になった見返りに、現代に生きる私たちには、生活から出る廃棄物の問題と資源の保護という重い課題が課せられています。

地球資源には限りがある、と知りつつも、豊かさや便利さを追求するあまり、すっかり使い捨ての生活に慣れてしまった、というのが私たちの現状ではないでしょうか。

ひところ「もったいないオバケ」がテレビコマーシャルに登場して人々の関心を集めたことがありました。食ベ物の作られる過程や、捨てられたゴミのゆくえを知る事で、物を粗末にしないことの大切さを学んだり、環境保全の必要性を知るなどの消費者教育も、これからはますます必要になってくるかもしれません。

リサイクルを暮らしの中に生かしていくことは、資源の保護と、環境の保全のためというだけでなく、物を大切にする心が、知らず知らずのうちに育まれていくと言う意味でも大切なことではないでしょうか。

リサイクル先進国といわれるドイツでは、徹底した分別回収や、廃棄物の有効利用などについて、行政、企業、そして消費者が協力して取り組んでいるとのこと。

日本でもひと昔前までは理想的といってもいいほど、無駄のない循環が暮らしの中にありました。

例えば、稲や麦を収穫した後のワラは、縄やわらづとや、わら草履などに利用され、最後は燃料として燃やされ、そのときできた灰は畑の肥料になる、というぐあいに見事なまでに資源の再利用、つまりリサイクルができていたのです。

生活の形態が大きく変化している現代に、このまま適用するのは無理だとしても、諸外国の暮らしの知恵を学んだり、何かしら祖先の知恵を活かすなどの工夫は毎日の生活の中に取り入れたいものですね。

21世紀を目前に省エネルギー・リサイクルはここまで進んでいます

“地球にやさしい”車、トヨタが実現 ハイブリッド乗用車『プリウス』

ハイブリッド乗用車『プリウス』

CO2の削減や省資源など、地球環境を配慮したトヨタのハイブリッド乗車「プリウス」が注目されています。

21世紀を先取りしたといわれるこの車、最も注目したいのが、モーターとエンジンを有効に使い分けるハイブリッドシステムという動力システムで、電気とガソリンのメリットを互いにフルに引き出している点が大きな特徴です。

燃料のガソリンは補給しますが、モーターを作動させる電気は走行中に発電され独自のバッテリーに充電されます。

この車がどうやって動くかというと、発進時や低速走行時にはモーターによって動き、通常走行の時はエンジンとモーターの2系統の割合が最も効率よく制御され、停車時は無駄なアイドリングを避けるためエンジンが自動的に停止します(ただし、充電中またはエアコン作動時は別)。

このハイブリッドシステムがなぜ地球にやさしいのか。自動車の有害ガスの多くは、低速走行時に排出されるものですが、ハイブリッドの低速走行時の動力はモーターです。また、ガソリンの消費をできるだけ削減することで省エネルギーも実現従来の車に比べ、低燃費約2倍向上、CO2排出量約二分の一となったのです。

さらに、プリウスの場合は、ボディをはじめ内外装の材料の多くに、リサイクル性の高い素材を使っており、まさに車のコンセプト全てが地球環境とエネルギー問題に向けられています。

詳細は函館トヨタ自動車(株)(昭和4-22-5、Tel:41-6191)までどうぞ。

廃食油を自動車燃料に 日吉町 森田 裕さん

八百屋みのり屋の移動販売車

自動車を走らせるのにどんな燃料があるのでしょうか。ハイオクやガソリンそして軽油というのが思いつきますね。ところが日吉町の森田裕さんは、天ぷらなどを揚げたときに出る廃食油を自動車用に加工したベジタブル・ディーゼル・フューエル(V・D・F・)という燃料を使用しています。開発・製造・販売をしているのは東京の染谷商店。森田さんはここから直接取り寄せています。

100リットルの廃食油から95リットルのV・D・F・を造ることができるそう。そのまま捨ててしまえば環境汚染になりますが、こうして資源になり再利用される道もあるのです。なお自動車の改良は一切不要。ディーゼル車にそのまま給油することができます。気になる燃費ですが1リッル80円、乗用車で約13km/ℓ、馬力も軽油使用時とほぼ同じ。そしてディーゼル車で問題になっている黒煙は3分の1に減らすことができ、有害な物質もほとんど排出されません。問題は気温が下がると油に粘り気が出てくるため冬期間に使できないことや給油は手動ポンプを使って自分でしなくてはならないところ。これらの点が解決されれば利用者も増えるのではないでしょうか。

「リサイクルの基本は使いきること」と森田さんはいいます。再生品を利用することも大切なことですね。

V・D・Fはまさに地球に優しい燃料といえるでしよう。

興味がある人は、無農薬野菜の移動販売、八百屋みのり屋の森田さんまで。

Tel:32-8151

暮らしとゴミ

私たちの暮らしは昔に比べて便利になりましたが、そのかげに資源の無駄づかいや大量のゴミを増やしている現実があります。便利な生活は使い捨てにつながり、大量のゴミが地球環境を汚しているのです

限りのある地球の資源を大切に使い、環境を守るためにもう1度、ゴミを見直してみませんか?

資源ゴミって何?

今までゴミとして捨てられていたものを、わずかな手間をかけ分別することで、資源として再活用できるものを資源ゴミといいます。函館市では4月1日からゴミの収集が変わりました。従来の「燃やせるゴミ」「燃やせないゴミ」のほかに空缶、ガラス瓶、ペットボトルの「資源ゴミ」の収集が加わりました。

資源ゴミのゆくえ

リサイクルセンター

ゴミ

東山にある市のリサイクルセンターに集められた資源ゴミは、自動的に袋を破かれベルトコンベアーを流れる過程で再度、分別されます。異物や危険物とベットボトルを手作業で選別します。その後、アルミ缶とスチール缶が選別され、最後にガフス瓶が残ります。缶はブロック状に固められ、業者に引き渡され鉄製品や缶、サッシなどに再利されます。ペットボトルはやはりブロック状に圧縮され、業者に渡りフリースジャケットや作業服に変わります。ガラス瓶は細かく砕かれ道路の路盤剤として使われます。

ゴミを出すときの注意

ペットボトルのゴミのイラスト

ガラスびんのゴミのイラスト

空かんのゴミのイラスト

●瓶やベットボトルの蓋を取ります。
●水で中を軽くすすぐ。
●ベットボトルは足で踏んでつぶす。
●中が透けて見える袋に入れて出す(スーパーの袋でOK)。

まぎらわしいゴミ

衣類は燃やせないゴミ紙おむつ、貝殻は燃やせるゴミになります。

ダイオキシン対策

卵のパック、シャンプーの容器、ラップ、トレーなどダイオキシンを発生させる可能性のあるものは燃やせないゴミへ。

ポリ袋を再利用

パン店『ブランドール』

パン屋さんで買物した時パンを入れてくれるポリ袋は、たいていがしっかりした厚手のもの。1度使っただけで捨てるのはとても惜しい気がします。

長崎屋の地階に昨秋オープンしたパン店『ブランドール』では、買物の際、袋を持参すると金券を発行してくれます。

買物の量に応じて10円券と5円券があり、いずれも次回の買物から使えます。

店がオープンした頃、パンを買いに来るお客さんの中に、もったいないから袋はいいわ…という方が何人かあったそうです。それでは、と考え出されたのが今のシステムのそもそものはじまり。資源の節約になり、パン代も割り引きになって一石二鳥です。

袋はたたんでバックや買物袋に入れて置けばかさばりません。

今ではお客さんにもすっかり定着し、とても好評だそうです。